薔薇/第三部 81 | 沼から出られない

沼から出られない

元トンペン、現在アニメ沼。ハイキュー!!、 東リベ、呪術廻戦。新規開拓中。
旦那22年秋に認知症診断
本人希望ありオス柴りゅーをお迎えしたものの23年春に胃がんステージⅣ診断。
凶暴化のため夏にりゅー訓練出し→11月末帰宅

好きなだけ揺さぶって出るもの出したのにまだ足りない。あなたが俺を好きにならない限り、この関係は続くのだろう。一方的に追い求めるだけの関係が。
体を離して、隣に寝転がりため息をつく。なんで俺じゃダメなんだ。
イライラしてるのに、もう寝息を立ててる。呆れて体を起こして見つめると、本当に安らかな寝顔。
ああ、そうだな。俺がうちに来いって言ったからかもしれないけど、この人は。
他に寝る相手がいてもちゃんと俺のところに、帰ってくる。こうして俺の隣で眠る。
だからなんだ、調子に乗るなってあなたは言うだろう。でも。
ただそれだけでも意味を見出さないと俺は俺自身を保てない。
嫌いにならせてくれたらいいのに。もっと呆れさせてくれたら。

朝起きてシャワーを浴びてご飯作って、ユノを起こして仕度させて一緒に朝食。
風呂上がり、バスローブを絶妙にはだけさせボーッとしたままご飯を食べるユノの胸元に、昨夜俺がつけた痕。
「……なんだ」
じっと見つめる俺を訝しがるユノ。席を立ち跪いて見つめる。
「ここなら……痕つかないかなと思って」
箸を持ったまま、ん? と俺の行動を不審がるユノの腰に抱きついて。
小さな尖りに吸い付いた。
「ばっ……、お前、何……」
「ね? ここなら……痕なんかつかない」
調子に乗って反対側も吸おうとしたら、頭を鷲掴みにされ止められた。
「離れろ。仕事に行くんだぞ、これから」
「1回くらいならできます」
大真面目に答えたのに。
「いい加減にしろ」
ものすごく冷たい目で見つめ返され撃沈。そんなカッコして誘うあなたが悪いんだ。
当然、させてもらえないまま会社へ向かう。

 

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