「大丈夫だよ。それくらい自分ででき……」
「ホントですか? このまま寝ちゃって雨でも降られたら俺の苦労が水の泡です」
「だいじょぶだよ、ちゃんと起きる」
「いいです無理しなくて。明日休まれたらみんな困りますし。俺も今日暇なんで気兼ねしなくていいですから」
お昼ご飯二人で食べて。
片付けも全部して、ヒョンには寝ててもらう。
仕事中も二人きりになることはあるけど。
こんなふうに本当の意味での二人きりは初めてで。
片付けが終わるとすることもなく。
ただその辺の掃除に時間を費やすのだけど。
それだけでもなぜか、穏やかに幸せで。
シーツが乾いたのでたたんで、しまって。
ヒョンの服も乾いたからたたんでやる。
薬がよく効いているのか、そもそも寝不足か、ヒョンはずっと眠ってて。
することが本当に、ない。
夕飯の支度と、朝も少しは食べられるようにと多めにスープを作って。
帰りたくなくなる前に帰ることにした。
眠るあなたに挨拶をしようと見つめてたら。
見慣れてるはずの顔が、厚い下唇が、妙に。