心友に会った帰りの電車…
雨のため、傘を立て掛けてる人が
何人もいた。
その、きれいなお姉さんは
爆睡中で
荷物が多いせいか
傘は、床に寝せてあった。
私は、通路を挟んで斜め後ろに座ってた。
駅について
キャリーバックを引いたおじさんが
降りていく。
何気に、見ていたら
傘が、バックの輪に引っ掛かって
一緒にずるずる…と。
だけど、そのおじさんはそれに気づき
傘を、お姉さんの足元に戻した。
ああ、よかった♪
それから、ふた駅後
また、おじさんの
キャリーバックの輪に
傘が、引っ掛かって
ずるずるずる…と。
しかし、今度は気づかない。
あー
すぐ後ろを車掌さんが通って
その傘を拾い
キョロキョロと見渡し
お姉さんの二つ前の
空いてる席の背もたれに、掛けていった。
さあ、それから
私は、気になった。
席を立って
その傘を、わざわざお姉さんに届ける
勇気も、気力もない。
電車内では、注目されるので
トイレに立つのも
勇気がいるぐらいだもの
さあ、どうしたものか
お姉さんが起きて「傘がない!」と
キョロキョロしてるところを
「あちらですよ」と教えるか
降りるところを
「お忘れですよ」と声をかけるか…
さあ、そこから私は
お姉さんが、いつ降りるか気になって
うとうと
結局、きれいなお姉さんは
私と同じ終着駅寸前で
荷物をまとめだしたので
(まだ、傘がないことに気づかない)
間髪入れず
お姉さんのすぐ後ろに立ち
掛けてる傘を、通りすぎようとした
その瞬間に肩を叩き
(テレビの警察みたいだ
「車掌さんが、こっちに掛けてましたよ」と、手渡した。
その、きれいなお姉さんは
初めてそこで傘に気づき
あまりにびっくりしたのか
にこっと笑った。
そしてまた、よほどうれしかったのか
電車を降りた後に
もう一度、私の顔を見て
にこっと笑ってお礼をした。
私は、任務を終えたことに
ほっとして
乗り換えの電車が
すぐ横のホームに来てるのに
気づかずに
乗り遅れそうになった