第一志望大学の
受験の帰り
新幹線の暗い窓の外を
眺めながら
マスクを目の高さまで上げて
君は、泣いていた。
掛ける言葉が、見当たらなかった。
「試験会場まで、一緒に行って!」
方向音痴な私でも
遠方な大学を受ける君の
負担を少しでも軽くできるなら…と
前の日から、下見にも行って
試験に挑んだ。
一時間目で
試験用紙のハプニングがあり
教授が、訂正に入られて
そこから、真っ白になった…と。
一時間めが、終わり
余程、私に電話しようかと思ったけど
ここを一人で乗り越えないと…と
最後まで、頑張ったけど
動揺が続いたらしい。
(なんのために、私がいたの!)
という言葉は、呑み込んだ。
この子は、ここでひとつ
強くなろうとしたんだ。
だ、だ、だけど
今じゃなくても…(^-^;
一時間めの、終わりに
私の「大丈夫、落ち着いて!」の
一言を聞けば
心を立て直せたかもしれない。
今でも、ちょっと
それは、思う。
でも、その想いは
一生言わない…
君が決めたことを
否定しない…
中学の時
心くじけた時
ずっとずっと
寄り添ってきたから
高校のサッカーの最後の試合で
「ぼく、変わった?」って
そんな、自分を
見せたかったんだろうし
この時も
強くなった自分を
見てもらいたかったのかもしれない。
第一志望は、破れたけど
第二志望に入ったから
今の職業に就けたんだし
今のお嫁さんとの出会いが
あったんだと…
この時期になると
マスクの下の
君の想いを
思い出す…
受験生の君たち
道は、ひとつじゃ
ないからね♪