今回の話は2016年の年末、2017年の年始の話です。

 

例年、うちは年末年始は帰省せずに、東京の自宅で過ごしていました。

平日は、仕事をしているので掃除ができず、週末しか掃除ができないので、年末ぎりぎりまで大掃除をしてから、お正月の買い出しと年末は忙しく過ごします。

 

そして、大みそかは、鍋かすき焼きなどにして、夜中に蕎麦というのが、恒例でした。

 

この年末リクは、機嫌がよくありませんでした。

 

機嫌が悪いというよりは、落ち込んでいるという方が、近い表現かもしれません。

リクは、ご飯に呼んでも、洗面所の段差のところに座り込んで頭を抱えて動かなくなり、やっとテーブルについても、暗い顔で一言も話さず、食欲もありませんでした。

 

時々、リクは機嫌が悪くなりますが、いつも原因はよくわかりません。

 

ただ、この時は、年を越すことについてストレスを感じていたのではないかと思いました。

 

何もしていない、これからどうするかも決まっていないのに時間が過ぎていくことを考えると暗い気持ちになったのではないかと思いました。

 

年が明けて、元旦の朝、リクは起きていました。

前日の夜よりは、表情が明るいことを確かめて、私は、

「あけましておめでとう。はい、お年玉。」

と、リクにお年玉を渡しました。

 

 

すると、リクは

「いらない。」

と、お年玉を返してきました。

 

私は、まさかこんな反応が来るとは予想しておらず、 動揺してしまいました。

 

「えっ!どうして?」

 

「使うものないし。」

 

結局、リクはお年玉を受け取ってくれませんでした。

私は、とても、悲しい気持ちになりました。ショボーン