宿題ができていないからと、学校へ行かないというリクは、徹夜したのもあり酷く疲れた顔をして寝に行ってしまいました。
前回の話はこちら
宿題ができていないから、「行かない。」と言うより、「行けない。」という様子でした。
私が仕事を休んだからと言って、リクに何をしてやれるわけではありませんでしたが、気分がどん底まで落ちているだろうリクを一人にすることができず、休むことにしました。
リクは寝ているだけなのですが、誰もいない部屋でたった一人でベッドに潜り込んでいるより、人の気配があったほうが孤独を感じずに済むのではないかと思ったのです。
午後になって、リクの担任の先生から電話がかかってきました。
もちろん、朝には欠席の連絡をしているのですが、欠席の連絡を受けるのは事務室で、先生方とは直接話はしません。
担任の先生は、若い女性の先生です。
「リクくん、体調はいかがですか?」と聞かれました。
高校は入学したばかりでもあり、校則も色々細かく決められていたため、私はリクの高校に対して警戒心を持っていました。
もし、明日リクが、なんとか学校へ行くことができたとしたら、「宿題ができていないので、休んだ」などと先生に話して欲しくないだろうし、宿題ができない理由として、中学校の三年生の後半、全く勉強をしなかったのも一因だとも言って欲しくはないはずだと思いました。
そして、それらを言ったことによって、リクに対する評価が落ちてしまうのではないかと恐れていました。
しかし、何も理由も言わず、休むのも宿題を提出しないのもリクの評価を落とすだろうし、今後、担任の先生に配慮してもらうためにも、話した方がよいのかも、などと瞬時にいろんなことを考えました。
結局、私は、担任にこれまでのこと、リクの様子をすべて話すことにしました。
続きます。

