c-005 出会い あっ!君は・・・2 | 【ラブストーリー】はお好き?

【ラブストーリー】はお好き?

小説です。お楽しみいただけたら、幸いです。

「あっ」

と声を上げてしまった。
その声に振り返った彼女は、まさに昨日の彼女だ。

彼女は、一瞬見間違えかと思うほど、光り輝いていた。
昨日は、髪をひっつめて、ピンクの縁の眼鏡。
今日はその髪を下ろし、眼鏡もしていない。
持っているバック、アクセサリー、靴、全てがバランスがとれている。
それに・・・口紅以外は、素顔に見える。

うん、可愛い。
いや、美しい。

そして、彼女も気づいて
「あっ、昨日はありがとうございました」
「いや、見間違えるところやった。
昨日のファッションと全然ちがうから・・・」
「昨日は仕事の帰りだったので・・・」
「今日は?デート?」
「いえ、ミュージカル見に・・・
私、またニューヨークに来る機会があったら、絶対行こうって決めてて、ミュージカルは、初めてなんです、どきどき!
チケット買うとき課長にも声かけたんだけど、あっさりふられちゃって・・・
一人なので、不安で・・・
あっごめんなさい、自分のことばかり、所で、曽根田さんは?」
一気にしゃべって、僕に聞いた。

なんか、一生懸命話すのが妙に可愛くて微笑んで聞いていた。

「僕もこれから、行きます」と隣の劇場の方を指さして言った。

「え~、ほんとですか?あの、ずうずうしいお願いなんですけど、中に入るまで、一緒に行ってもらえませんか?私、初めての所苦手で・・・」
「ええよ」
「ありがとう」

二人で劇場に向かう。

入り口まで来て、
「チケット貸して」
「はい」
支配人呼んでもらえるかな?とチケット係に頼み、すぐに支配人が出てきた。
ここの支配人は、僕の友人だ。

なんか入り口で彼女と別れてしまうのが惜しかった。
「悪いけど、隣同士の良い席に変更してくれない?」
この友人は、彼女の顔をのぞき込みながら、
「新しい女か?」
とスラングで僕に聞いてきた横で、きょとんとしていた彼女が
「いいえ。」
えっ?解るんだ・・・
「えっ?この子地元の子?」
「ちがうよ、いいから、早く~」
5分も待っただろうか。
何を話して良いか解らない。
通路の奥を見て、ごまかしたりしていた。
なんで?
女性といて、こんなに意識して気まずい時間がながれたのは、高校生以来だ。

「今日は運がよかったな、良い席がキャンセルでて、ほら」
「お~サンキュ、追加料金は?」
「良いよ、今日は特別」
「ありがとう」
「あ、ありがとうございます」
と彼女もぺこっと頭を下げ会場に入った。