マックス・ローチ・カルテットがサンフランシスコのジャズ・ワークショップに出演した時のライヴ録音盤です。フロントはテナー・サックスのクリフ・ジョーダンです。A面、B面其々一曲ずつという長尺演奏ですが、「A VARIATION」におけるエキサイティングなマルには少し驚きを覚えました。

 

MAX ROACH(ds) EDDIE KAHN(b) CLIFFORD JORDAN(ts) MAL WALDRON(p)

 

86点  side1-1  「SPEAK, BROTHER, SPEAK」1962/10/27

86点  side2-1  「A VARIATION」                           1962/10/27

 

「スピーク・ブラザー・スピーク(1-1)」

M.ローチ、E.カーン、C.ジョーダン、M.ウォルドロンの共作です。E.カーン(b)とM.ローチ(ds)が訴えかけるように強いリズムで始め、C.ジョーダン(ts)がテーマをそしてソロを演ります。第一楽章終了のような拍手があり、その後リズムが変わってE.カーン(b)とM.ローチ(ds) が再スタートを切り、C.ジョーダン(ts)がマルの強いバッキングの下に再登場します。すぐにマルのソロとなりますが、次第次第にマルの世界に引き込まれ、最後はハンマー打鍵奏法の炸裂をみます。C.ジョーダン(ts)が締めて第二楽章終了の拍手です。第三楽章はE.カーン(b)がソロをとります。拍手の後、最終楽章はM.ローチ(ds)が出て、テーマを皆で演り、M.ローチのドラム・ソロです。几帳面にリズムをキープするローチのソロを聴かせます。最後四人でテーマを演り、A面全部を占める(組曲)が終わります。ちょっといい86点です。

「ア・ヴァリエーション(2-1)」

M.ローチのオリジナルです。出だしはジョン・コルトレーン・カルテットをフッと思わせます。ソロの一番手はM.ウォルドロン、四角い渦を巻き今度は天に向かって竜巻を起こします。かなりエキサイティングで、時折うっすらとマルの声らしきものが聞こえてきます。次はC.ジョーダン(ts)、ここでのM.ローチのバッキングはE.ジョーンズとは違うやり方のエキサイティングさです。その次はE.カーン(b)、ひと時のどっしりとした落ち着きを与えてくれます。C.ジョーダン(ts)とM.ローチ(ds)が長い小節交換をした後M.ローチのドラム・ソロです。最後のソロはC.ジョーダン(ts)、祈りのようなものを感じます。ちょっといい86点です。

 

86点  side1-1  「SPEAK, BROTHER, SPEAK」1962/10/27

 

86点  side2-1  「A VARIATION」                           1962/10/27