定年後雇用 義務付け法成立 企業どうなる
日経産業新聞30日掲載
60歳の定年をすぎても働く意欲のある従業員の継続雇用を企業に義務付ける改正高年齢者雇用安定法が29日、成立した。2013年4月に施行され、雇用を義務付ける対象の年齢が段階的に上がる。25年4月からは65歳までの希望者を雇わなければならない。
Q・現行法との主な違いは。
A・現行法では60歳の定年を過ぎても働けるようにするため、企業に①定年の引き上げ②継続雇用制度の導入③定年の廃止ーーーのいずれかを講じるよう求めている。
②の継続雇用制度の対象となる従業員については、能力などの基準を労使協定で定められる。
改正法はこの基準を廃止し、対象者を限定できなくする。より一層の高齢者の就業促進を目指したものだ。
ただし、厚生労働相の諮問機関である労働政策審議会が指針をつくり、健康状態が悪い従業員らは除外できるようにする。
Q・なぜこの時期に法案が成立したのか。
A・会社員が加入している厚生年金(報酬比例部分)の受給開始年齢が13年4月以降、引き上げられるためだ。男性は現在、60歳から厚生年金を受け取れるが、13年4月からは61歳にならないと受け取れない。3年ごとに1歳ずつ上がり、25年4月に65歳から年金受け取りとなる。
給料も年金も受け取れない高齢者が増えることを防ぐため、継続雇用の対象年齢を段階的に上げることで定年を迎えても希望者が全員働けるようにする。希望しなければ継続雇用の対象にならない。
Q・企業にどう影響するのか。
A・希望者全員を継続雇用すれば労務費の増大は避けられない。
他の社員の給与を減らしたり若年者の雇用を抑えたりするなどの動きが出て、雇用環境に悪影響を与える恐れがある。企業は人件費増への対応や新たな賃金制度の創出などを求められる。
雇用先はグループ企業に広げられる。自社だけで雇用が確保できない場合は議決権が50%超ある子会社や、同20%以上の関連会社が雇用してもよい。ただ子会社や中小企業へのしわ寄せも懸念される。
Q・日本経済にはどのような影響があるか。
A・みずほ総合研究所の試算では全員継続雇用され、賃金は定年時の6割と仮定すると、13年度の賃金総額は01~10年の年間平均より4千億円増増える。25年度には同1.9兆円増え、総人件費を1%押し上げるという。
継続雇用後の賃金が60歳定年時の8割と仮定すると、25年度の賃金総額は同4.4兆円増え総人件費を約2.2%押し上げる。
社会保障費の増大、少子高齢化でやむをえない改正と思いますが、日本の将来のあるべき姿を
示し、国民が希望のもてる制度改正をしていただきたいものです。
税理士ゆーちゃん より
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