三菱創業一族である岩崎家のコレクションが所蔵されている静嘉堂文庫美術館へサーチ
きもの カンタービレ♪
静嘉堂は三菱二代目社長の岩崎弥之助(岩崎弥太郎の弟)と四代目社長の岩崎小弥太
(弥之助の子)によって設立され、2012年に静嘉堂文庫創設120周年、美術館開館20周年
を迎えました。
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三菱を創業した岩崎弥太郎はあまり美術品に関心を持たなかったそうですが、
弟の弥之助は刀剣、書画、茶道具を愛し、蒐集につとめました。
弥之助が最初に購入した茶道具が、天下人の間を渡った大名物の唐物茶入である
「付藻茄子」と「松本茄子」。
その後も本格的に蒐集を重ね、息子である小弥太は珠玉の名椀といわれる
唐物茶碗の「曜変天目(稲葉天目)」を手に入れます。
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静嘉堂文庫美術館は世田谷にあるのですが、ここでいいのかしらん(゚_゚i)?と
思うようなちょっとした山にあります。
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二子玉川駅から定期的にバスがでていますが、バス停から登り坂を歩くことになります。
タクシーでも1メーターちょっとで行ける距離なので、坂を避けるにはタクシーで美術館前
に横付けしてもらうのがおススメです。
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静嘉堂文庫。前に観光バスが止まっていたのでマングースで隠しております(_ _。)
1924年(大正13年)に桜井小太郎の設計によって建てられたものだそう。
貴重な史料が所蔵されています。紹介による閲覧申請がないと入ることができません。
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静嘉堂文庫美術館。
常設展示はありませんが、年に4~5回の展覧会が行われています。
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美術館の中から見える庭園。梅林が見えます紅梅
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美術館の中の撮影は認められていませんが、いただいたパンフレットは充実していました!
※写真はすべてフライヤーよりの転載です。
「静嘉堂蔵 茶道具の美~岩崎家父子二代のコレクション~ 」(~3月24日まで)
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大名物の伝来、そして修復の経緯と透過X線写真も。
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「付藻茄子」は松永久秀が信長上洛の際に献上し、大和一国の領地を安堵されたという
逸話をもち、本能寺の変の前日、信長は九州や堺の豪商を招き茶会を催していたため、
本能寺にあって罹災にあいますが、拾いだされ秀吉に献上されたものです。
そして、どちらの茶入も大坂夏の陣で罹災にあいますが、家康が塗師の藤重親子に
探索させ新田肩衝などとともに回収され漆繕いによって復元されます。
その修復技術の素晴らしさに、藤重家に両茶入を下賜します。その「拝領事次第」も
あわせて展示されていました。

左◇「松本茄子」唐物茶入 / 右◇「付藻茄子」唐物茶入  どちらも南宋~元(13~14世紀)
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「曜変天目(稲葉天目)」唐物茶碗 建窯 南宋(12~13世紀)
徳川家光が春日局に下賜したことから、春日局の実家である稲葉家に渡ったとされ、
それによって稲葉天目といわれているもの。
春日局は家光が疱瘡になった時に、平癒祈願のため生涯薬を飲まない誓いをたてます。
その後春日局が病気になると、家光はこの曜変天目と薬を贈り、手ずから薬を飲ませよう
としましたが、春日局は飲んだふりをして薬は袖に流し込んだと伝わっています。

青い斑文が中央に向かって集まっていくこのお茶碗はまるで小さな宇宙のようです。
世界に現存する曜変天目は3つ。その中でも最も美しいとされています。
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「尼崎台」黒漆天目台 南宋。 台と茶碗の展示は別々にされています。
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今回、一番印象に残った展示はこちらビックリマーク
「油滴天目」唐物茶碗 建窯 南宋(12~13世紀)
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油の滴が今にも落ちそうに見えます…(*_*)
下からライトアップされたことにより斑紋が透けて、モダンなものに見えました。
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「堆朱牡丹天目台」 明初。
展示は別々にされていたこともあって、油滴天目とあわないのでは~?と思ったのですが、
そんなこともないのかな。。。
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この油滴天目の下からライトアップは、Lumiotec社の照明用有機ELパネル
(エレクトロ・ルミネッセンス)がつかわれています。白熱電球や蛍光灯、LED)と比べて、
発熱が少なく、光に紫外線や赤外線を含まないため照らされたものを傷めないのだそう。
この展示の仕方がとても効果的で、「油滴がまさに落ちて来そうビックリマーク」に見えました。

伊達家伝来、前田家伝来の名品の名品、野々村仁清の数茶入れなども
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三菱一号館美術館の開館した際に、三菱コレクションとして見たものも多いのですが、
静嘉堂文庫の展示は明るく、ゆったりした展示でとても鑑賞しやすかったです合格

展示もさることながら、由緒書がまた面白いビックリマーク
これは茶道具ならではですね。

【3月12日の装い】
パルメット文様の本塩沢mpきものにれえすの花の刺繍帯をコーディネート。
単衣向きといわれる本塩沢ですが、袷でもとても着心地がいいです合格
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帯あげは加藤萬の縮緬、帯〆は龍工房
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籠バッグは松枝忍、ぞうりは菱屋カレンブロッソのお誂え
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梅に雀の長羽織はそろそろ着納め。
美術展鑑賞には脱ぐ必要がない羽織が重宝します合格
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※有松レポまだつづいております。京都レポはその後に。
リアルタイム記事を優先しつつ更新していきます。


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