昨日、私が以前着物の着付けを習っていたと書きましたが、その当時の思い出話です。
私が着付けを習い始めたのは結婚してしばらくした頃で、その時の動機が「将来我が子の七五三に自分で着付けをしてあげたい!」でした。もちろん「自分自身で着物をきれたら良いなっ」て思いもありましたが。
私が通っていた着付け教室は「基礎科」→「専攻科」→「師範科」と所定の試験を合格するごとに進んでいき、最終試験に合格すると、きもの学院の認定資格が取得できます。これを取るとお店から着付けを依頼された場合、着付けをしてあげると着付け料を頂けます。成人式の日なども依頼が来ます。
また希望すれば卒業後、きもの学院認定教室の開設もできます。これは看板料としてかなりのお金を支払います。(茶道、華道などと同じシステムですね。)
地道に一歩ずつ進んでいったところで、実父の癌が発覚しました。
末期だったのでわずか40日の入院で亡くなってしまったのです。
なんと、私のこの着付けの習いで1番最初に活躍できたのが、「父の葬儀での親戚の喪服の着付けをしてあげること..」でした。
凄く複雑な気持ちでしたが、葬儀の時、その忙しさで少しだけ悲しみを忘れる時間ができたかもしれません。
その後私は妊娠がわかり、それでも仕事を続けながら着付け教室に通っていました。
そしていよいよ最終試験。その時私は妊娠9ヶ月!!!
もうすでに会社は産前休暇に入っています。
その実技試験は、自分自身も着物をきて「他人の振袖を15分で着付ける」と言うものです。
これって凄く大変で体を酷使します。
妊娠9ヶ月の妊婦が着物をきること自体、稀の稀!なことですよね~。
わざわざ銀座の本店教室まで電車を乗り継ぎ出向き、同期の皆で試験を受けます。
先生や友人たちは私の身体を心配してー
「母子手帳と保険書は必ず持参してね!!!」
「何かあったら救急車呼ぶね!!!」
と気遣ってくれました。
私自身も「動き過ぎて陣痛始まっちゃったらどうしよう!?」という不安はあったのですが、始まったらもう夢中で超ガニ股で練習通りの動きに集中出来ました。
そして合格~!!!
合格プラス『妊娠9ヶ月で試験合格がんばった賞』という表彰まで頂きました。
それからしばらくは本職とは別に着付けのお仕事でお小遣い稼ぎをしたり、子供のお祝い事に自分で着物をて楽しんでいましたが、本職の仕事と育児が忙しくなったら着物関係からは遠のき、今では(先日記事に書いた通り)身障者になって着物も全て売却してしまいました。
今更ながらですが、続けていたら空いた子供部屋を活用して着物教室でもできたかもなって思います。
タラレバなので、ホント、今更考えても仕方ないんですけどね。
良き思い出として取っておきます。