満月をきれいと僕は言えるぞ-本 | 脳内出血を起こし障害者になりましたが、残りの人生楽しんでいきます

「満月をきれいと僕は言えるぞ」(三五館) 山元加津子 宮田俊也著1575円 を読んでください。
出版社から
・・・
意思伝達装置という福祉機器をご存じでしょうか?これはさまざまな障害で会話ができない方たちが、意思を伝えることができるように補助する装置です。じつは、医療関係者や障害をお持ちの方のご家族でもその存在はほとんど知られていないのが現状です。
その意思伝達装置の一つ「レッツ・チャット」を使い、本書の共著者の一人、宮田俊也さんが言いました。
「このほんでだれもがいいたいことがあるとわかってください としや」
2009年2月20日、特別支援学校教諭の"宮ぷー"こと宮田俊也さんが突然脳幹出血で倒れました。
一命は取り留めたものの「植物状態」と宣告された宮田さんと、どんな状況になっても人は絶対に意思を持っていると疑わない元同僚の"かっこちゃん"こと山元加津子さんが、「レッツ・チャット」などの意思伝達装置を駆使し、閉じ込められていた宮ぷーの気持ちを引っ張り上げるまでの感動的なエピソードが綴られています。
本書では、宮ぷーが意思を表出するまでの過程と、そんな宮ぷーへの共感と共に、日本中を巻き込んだドラマへと発展していく様が展開されていきます。

「近視の人がメガネをするように、意思を伝えられない人が当たり前のように意思伝達装置を使えるようにしたい」とは、宮ぷーとかっこちゃんの本書出版の目的。
熱い涙を誘う感動的なエピソードも満載ですが、それだけにとどまらず、「意思を伝えあう」ことの重さと大切さへのメッセージをこめています。
著者(山元)は、特別支援学校の教員を長くしています。子どもたちは、どんなに障害が重くても、必ずだれもが思いを持っていて、だれもが思いを伝えたいのだということを教えてくれます。いっしょの気持ちを伝える方法を探して、それが見つかったときの笑顔は、何にもたとえようのないほどに輝いています。この物語は、宮ぷーや仲間がヘッドライトの光となって、すべての人が気持ちを伝えられるように暗闇の中を照らしながら突き進む物語です。そして、「読んでくださる皆さんも、仲間になってください、意思伝達の方法があることを多くの人に伝えてください」というお願いの物語でもあります。
・・・
「ただ、「知らない」というそれだけのために、たったそれだけの理由のために、何年も何十年もの長い間、心を閉じ込めて、目の前の人に「大好き」と言えない。「ありがとう」と言えない。「さびしかった」と言えない。心が通わせられない。そんなことがあっていいはずないのです。」
「皆さんも、仲間になってください、意思伝達の方法があることを多くの人に伝えてください」
「あなたも私も、そしてすべての人が、これから先、いつまでも、自分のあふれる思いを相手に伝えられるように、「意思伝達大作戦」がはじまります。」「満月をきれいと僕は言えるぞ」より。

満月をきれいと僕は言えるぞ/三五館
¥1,575
Amazon.co.jp