「生活保護を受けたら保険証はどうなるの?」
「病院に行くときはどうすればいいの?」
このような質問は非常に多いです。
結論から言うと、生活保護を受給すると国民健康保険証は返還しなければなりません。
しかし代わりに「医療扶助」という制度によって、診察・入院・薬代などの医療費がすべて無料になります。
今回は、生活保護を受給した際の保険証の扱いや、医療機関を受診する手順、バレる可能性や注意点までをわかりやすく解説します。
生活保護を受給したら保険証はどうなる?
生活保護を受けると、国民健康保険や後期高齢者医療制度から抜ける必要があります。
これは、生活保護ではすでに「医療扶助」によって医療費が支援されるため、健康保険の重複を防ぐためです。
そのため、受給が決定した時点で現在持っている健康保険証は返却します。
ただし、医療費はすべて医療扶助でまかなわれるため、実質的な負担はゼロになります。
診察費・手術費・薬代など、原則すべての医療行為が対象となります。
生活保護受給者にとって、保険証がなくても医療サービスを受けられるよう設計されているのがこの制度です。
なぜ国民健康保険に加入できないのか
生活保護受給者は、保険料や税金の支払いが免除されるため、国民健康保険の資格を失います。
その代わり、医療扶助によって病気やけがの際の医療費を行政が全額負担します。
たとえば、国民健康保険では通常3割負担ですが、生活保護受給者は0割、つまり自己負担が一切ありません。
もし働いて社会保険に加入する場合は、生活保護を受けながらでも加入できます。
社会保険に加入することで将来の年金や労災補償などの権利が得られるため、就労を目指す人にとって大切なステップになります。
医療扶助とは?どんな医療が無料になるのか
医療扶助とは、生活保護の8つの扶助のうちのひとつで、病気やけがの治療を無料で受けられる制度です。
対象となる医療内容は次のようなものがあります。
・診察・治療・手術
・薬の処方や注射
・入院時の食事代
・自宅や病院での看護費
歯科や眼科、精神科の受診も対象となります。
ただし、美容整形や自由診療などの保険適用外の医療は対象外です。
医療券が保険証の代わりになる
生活保護受給者は、病院に行く際に「医療券」を提出します。
医療券は福祉事務所が発行するもので、受診先の医療機関ごとに発行され、有効期限があります。
薬局では「調剤券」が同じ役割を果たします。
これを提示すれば、薬代も無料になります。
受診前には必ずケースワーカーに連絡し、医療券を発行してもらうのが基本です。
急な発熱やケガなどの緊急時は、事後報告でも認められる場合があります。
身分証として使えるもの
生活保護受給者は保険証を持てませんが、身分証明書としては以下のものが使えます。
・生活保護受給者証
・マイナンバーカード
生活保護受給者証は自治体が交付する書類で、受給者であることを証明するものです。
顔写真がついていないため、身分証としては限定的にしか使えません。
そのため、マイナンバーカードを作成しておくことをおすすめします。
顔写真付きで本人確認ができ、銀行や携帯契約などさまざまな場面で使用できます。
医療扶助の手続きの流れ
医療扶助を利用して無料で医療を受けるには、次のような流れになります。
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福祉事務所で医療扶助を申請
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医療券が発行される
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医療機関で診察・治療を受ける
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医療機関が自治体に医療費を請求
受給者は医療券を提示するだけで、診察や治療を受けられます。
その後の費用精算は自治体と医療機関の間で行われるため、本人に請求は届きません。
保険証がなくてバレるタイミングはある?
生活保護を受けていることを周囲に知られたくない、という声も多いです。
ただし、保険証がないためにバレる可能性がある場面もあります。
・病院で医療券を提出する時
・子どもの学校行事(修学旅行や託児所などで保険証コピーを求められる時)
・就職手続きの際
子どもがいる家庭では、学校提出書類で保険証のコピーを求められることがあり、その時に「受給者証」を提出すると生活保護が判明する場合があります。
もし子どもにだけ保険証を持たせたい場合は、「世帯分離」を検討することもできます。
ただし、すべての家庭で認められるわけではなく、実際の生活実態をもとに福祉事務所が判断します。
医療扶助を受ける際の注意点
医療扶助にはいくつかの制限もあります。
・指定医療機関でしか利用できない
・保険適用外の治療(自由診療・先進医療など)は対象外
・個室代やパジャマ代、テレビ視聴料などは自己負担
また、転居や転院をする際は事前にケースワーカーに相談が必要です。
手続きを省略すると、後から医療費を請求されることもあります。
保護廃止後の保険証はどうなる?
生活保護が廃止されたあとは、自動的に保険証が戻るわけではありません。
国民健康保険に再加入する手続きを自分で行う必要があります。
手続きが遅れると一時的に「無保険期間」が生じてしまうこともあるため、保護終了時には早めに市区町村役場で加入手続きを行いましょう。
まとめ:保険証がなくても医療は受けられる
生活保護を受けている間は、国民健康保険証を持つことはできません。
しかし、医療扶助によって医療費は全額無料になります。
医療券や受給者証があれば、病気やケガをしても安心して医療を受けられます。
大切なのは、自己判断せずにケースワーカーや専門家に早めに相談することです。
Wing社会保険労務士・行政書士事務所では、生活保護申請や医療扶助に関する相談を無料で受け付けています。
「保険証がなくて不安」「受給後の手続きがわからない」という方も、安心してお問い合わせください。
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