生活保護の申請では、福祉事務所による「資産調査」や「身辺調査」が行われます。
この調査は「本当に困っている人に適切に支給するため」に実施されるもので、不正受給を防ぐ目的があります。
しかし実際には「どこまで見られるの?」「タンス預金も対象?」と不安に感じる方も多いはずです。
この記事では、生活保護の調査がどこまで及ぶのかを行政書士の立場からわかりやすく説明します。
資産調査はどこまで見られる?
資産調査では、申請者が保有しているすべての資産が対象になります。主な調査対象は以下の通りです。
・銀行口座(ゆうちょ銀行、地方銀行、ネット銀行含む)
・生命保険(解約返戻金の有無)
・車、土地、持ち家、有価証券など
福祉事務所は金融機関に照会できる権限を持っており、本人が申告しなくても残高や取引履歴を確認できます。
楽天銀行やPayPay銀行のようなネット銀行も対象です。
たとえ少額でも未申告の口座があると「資産隠し」とみなされることがあるため、必ずすべて申告しましょう。
生命保険の扱い
生命保険には「解約返戻金」があるため、生活保護の審査では資産として扱われます。
返戻金が多い場合は「解約して生活費に充てるように」と指導されることがあります。
契約を隠していた場合は不正受給に該当するため注意が必要です。
タンス預金はバレる?
タンス預金が直接的に照会されることはありません。
しかし、通帳の入出金の動きや支出レベルとの不整合から発覚するケースがあります。
また、家庭訪問時に多額の現金を見つけられた場合も「すぐに使える資産」と判断されます。
生活保護申請では「手元現金」も資産に含めて申告しなければなりません。
もし隠していた場合、返還命令や停止処分のほか、詐欺罪として刑事事件に発展することもあります。
PayPayなど電子マネーの残高は?
最近ではPayPayや楽天ペイなどのキャッシュレス残高を「タンス預金代わり」にしている人もいます。
しかし、これも生活に使える資産とみなされるため、金額が大きい場合は必ず申告しましょう。
通帳のチャージ履歴や出金状況から判明することもあります。
「電子マネーだからバレない」と考えるのは危険です。
身辺調査では何を見られる?
資産以外にも、申請者の生活状況や親族関係などが調査されます。
主な項目は以下の通りです。
・扶養照会(親や子、兄弟など3親等内の親族へ援助可能か確認)
・家庭訪問(生活水準の確認)
・定期訪問(健康状態や就労状況の把握)
扶養照会では、親族に「支援できますか?」と書類で確認されますが、扶養を断っても不利になることはありません。
家庭訪問でも、タンスの中まで詳しく調べられることはなく、生活実態を確認する程度です。
家庭訪問で見られやすいもの
家庭訪問では、生活保護の基準を超えた高額な財産がないかを確認します。
大型テレビ、ブランド家具、最新ゲーム機などがある場合は説明を求められることがあります。
一方で、冷蔵庫や洗濯機など日常生活に必要な家電は問題ありません。
調査のタイミング
資産・身辺調査は、申請書を提出したあとに行われます。
申請後にケースワーカーが自宅を訪問し、書類内容と実際の生活状況を照らし合わせて確認します。
また、受給開始後も定期的に確認され、収入申告や就労状況の報告を求められます。
この定期訪問は「監視」ではなく、「生活支援の一環」として行われています。
よくある質問
Q:タンス預金が10万円ほどある。申告したら減額される?
A:生活に使える現金は資産と見なされますが、少額であれば即却下にはなりません。ケースワーカーに正直に伝えましょう。
Q:ネット銀行の口座を申告し忘れた。
A:あとからでもすぐに申告すれば問題にならない場合が多いです。隠していたと判断される前に報告しましょう。
Q:家にブランド品があると生活保護は受けられない?
A:生活必需品の範囲を超えた高価品が複数ある場合は売却を求められる可能性がありますが、1つ程度で即却下になることはありません。
まとめ
生活保護の調査は、銀行口座・保険・資産・家計状況など、生活に関わるあらゆる面に及びます。
タンス預金や電子マネー残高は表面上見つかりにくくても、調査の過程で判明する可能性があります。
重要なのは、すべてを正直に申告することです。
誠実に申請すれば、必要な支援を正しく受けられます。
Wing行政書士事務所では、生活保護の申請・再申請・不正受給対応の相談を基本的に無料で受け付けています。
通帳の扱いや資産申告の書き方など、実務的なアドバイスも行っています。
相談フォームから簡単にお悩み内容を送ることができますので、お気軽にお問い合わせください。