生活保護を受けているシングルマザーの方から、「もうすぐ子どもが成人するのですが、支給額は減りますか?」という相談をよく受けます。
実際に子どもが成人すると、生活保護の支給内容が変わる可能性があります。
ここでは、その理由と今後の生活を見通すための考え方をわかりやすく説明します。

生活保護は「世帯単位」で決まる

生活保護は、一人ひとりではなく「世帯」を単位として支給されます。
母と子が同じ家で暮らしている場合は、二人でひとつの生活単位とみなされます。
そのため、世帯全体の収入や支出をもとに保護費が決まります。

金額は住んでいる地域や家賃、家族構成によって異なり、生活費にあたる生活扶助、家賃補助の住宅扶助、子どもの教育費などの教育扶助を合わせた金額が毎月支給されます。
たとえば母子家庭で13万円ほど支給されている場合は、これらを合算した金額です。

母子加算と教育扶助がある間は手厚い支援

母子家庭の場合、通常の生活扶助に加えて「母子加算」という支援がつきます。
これは子どもを育てるための費用を補うもので、子どもが一人の場合は月におよそ1万5千円前後が目安です。
自治体によって多少の差はありますが、義務教育や高校に通っている間は教育扶助も支給され、学用品費なども一部カバーされます。

このように、子どもが未成年で学生のうちは比較的手厚い支援が受けられる仕組みです。

子どもが成人したらどうなるのか

子どもが18歳や20歳を迎えると、生活保護の扱いが変わる場合があります。
理由は、生活保護が「世帯全体の収入」で支給額を決める仕組みだからです。
もし子どもが就職して収入を得るようになれば、その収入も世帯の収入とみなされます。
その結果、保護費が減額されたり、基準を上回れば支給が終了することもあります。

一方で、子どもが大学や専門学校などに進学して学生を続ける場合や、健康上の理由で働けない場合などは、引き続き世帯に含まれ、支給が継続されることもあります。
状況によって扱いが異なるため、事前にケースワーカーに相談しておくことが大切です。

別世帯になった場合は再審査が必要

子どもが就職して独立し、別の住所で暮らし始めた場合は、母親だけの単身世帯として改めて審査が行われます。
このときは、子どもの収入が世帯に含まれないため、母親自身の生活状況に応じて支給額が再計算されます。
多くの場合、支給額はそれまでより減る傾向にあります。

また、子どもが就職しても同じ家に住み続ける場合は、同居扶養義務者として収入状況の確認が行われます。
子どもの収入によっては、母親の生活保護費が見直されることもあります。

成人した子どもへの扶養照会が行われることもある

生活保護を受ける際には、親族への「扶養照会」という手続きが行われます。
これは、行政が親族に対して「援助できるか」を確認するもので、実際に仕送りを強制するものではありません。
しかし、成人した子どもがいる場合はこの照会の対象となることがあり、自治体から子ども宛てに連絡が行くケースもあります。
親子関係や生活実態をもとに判断されるため、事前にケースワーカーに正直に相談しておくと安心です。

減額を見越して早めに備える

子どもが就職することで、支給額が減ったり生活保護が終了したりする可能性がある場合は、今のうちから次の生活設計を考えておくことが重要です。
母親自身が就労支援を受けて、無理のない範囲で働ける準備を進めるのも一つの方法です。
また、家賃や固定費を見直すことで支出を抑え、生活の安定を図ることもできます。

生活保護制度は、生活を立て直すために利用するものです。
収入や家族構成が変わるときは、「保護が打ち切られるのでは」と不安になる人も多いですが、実際には段階的な支援が行われる場合もあります。
焦らず、まずは自治体の福祉課や担当ケースワーカーに相談することから始めましょう。

まとめ

子どもが成人すると、生活保護費が変わる可能性はあります。
就職すれば減額や廃止の可能性が高く、学生のままなら継続される場合もあります。
最も大切なのは、変化が起こる前に相談しておくことです。
親子それぞれが安心して生活できるよう、行政とつながりを保ちながら準備を進めていきましょう。

生活や支援に関するご相談は、Wing社会保険労務士・行政書士事務所の
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から受け付けています。
今の状況をお伺いし、これからの生活設計を一緒に考えます。