前日の「続投宣言」から一転、国会軽視とも取れる不用意な発言で更迭に追い込まれた柳田法相。 22日の記者会見では、淡々とした様子で辞表提出までの経緯を語った。法務行政とは縁遠い人材を起用した菅首相の任命責任が問われる一方で、大阪地検特捜部の元主任検事による証拠品改ざん事件など不祥事が相次いだ法務・検察からは「今後の改革の予測が全くつかない」と困惑の声が上がった。  柳田法相は東京・霞が関の法務省内で同日午前10時15分から記者会見を開いた。「総理から、補正予算案を速やかに通さなければならないと話があった。補正を通すべく、私から身をひくと言った」と菅首相や仙谷官房長官の目の前で辞表を書いた経緯を明らかにした。前日の続投表明から一転。「一貫して任務を遂げたいという思いだった」とも語り、未練ものぞかせた。  今回問題になった、「個別の事案についてはお答えを差し控える」などとする発言(広島市での法相就任を祝う会で)については、「地元の皆さんで、よく知っている仲間だから気を許しすぎた。結果的に不用意というかジョークまじりというか……」と釈明。「ああいう発言は私の非で、心からおわびしなければならない」と謝罪した。  さらに柳田法相は、問題発言の背景にあった「刑事訴訟法47条」の規定にも言及。公判前に訴訟に関する書類を公開しないとする同条について、「解釈と運用を検討していただきたい」と訴えた。