仙台市出身の私にとって、秋晴れの涼やかな休みの日になると必ず食べたくなるものがある。「はらこめし」と「芋煮」だ。

 どちらも北海道ではあまり知られていないようで、この話をすると興味を持たれる人も多い。芋煮は宮城県と山形県の秋の名物であり、河原でレクリ エーションとして芋煮会をやることも共通しているが、双方で芋の種類や使う肉も調味料も異なり、まったく別物なのが面白い。

 

 ジャガイモと豚肉を用いてみそで味をつける宮城県に対して、山形県では里芋と牛肉を使いしょうゆで味付けをするらしい。

 芋煮会は河原に町内会などの団体でバスで出かけ、野菜や豆腐を切るなど調理。酒を飲んで親睦を深める。子供たちは川で遊ぶ。出来上がると、熱々の芋煮とおにぎりやいなりずしを食べ、酒を飲んでいる人は汁抜きで具をさかなに酒を飲む。

 

 一方の「はらこめし」とは、サケとイクラを用いた炊き込みご飯である。しょうゆやみりんと一緒にサケを煮込んだ煮汁で炊き込んだご飯の上にサケ の身とイクラをのせたもので香ばしく食欲をそそり、おこげがあるとたまらない。

 

 私は「はらこめし」をサケの本場の北海道でこそ味わってみたいと思うと同時に、宮城県風の芋煮は北海道の豚汁に近いことから、河原を探して芋煮会をやればジンギスカンと並ぶアウトドアの食文化になるのではないかと毎年秋になると思う。

 宮城県では日本酒だが、芋煮とワインも良く合う。後志産の赤ワインで乾杯したいものだ。

(シニアソムリエ・小樽)