グリューヴァインをご存じだろうか。ホットワインと言えばピンとくる方も多いかも知れないが、ドイツ語で「かき混ぜたワイン」を意味する、ワインとスパイスなどを混ぜて温めた冬にぴったりの飲み物である。

 ワインの選定やスパイスの種類と量をどうするか、かける時間によっても出来上がりには違いがあり、とても奥が深い。

 

 40年以上も前に小樽市に在住し、北海道ワインの基礎を支えたドイツのケラーマイスター(国家資格のワイン醸造技師)であるグスタフ氏と奥様から、私が教わったレシピはレモンとオレンジ、シナモンとクローブ、アニス、それにグラニュー糖を辛口の赤ワインとともに温めるという本場ならではのものだ。

 

 私はこれを2時間も弱火で温めてスパイスの風味を引き出すのが好きだ。アニスとレモンとオレンジを40分で取り出し、そのまま弱火にかけておくとワインの水分が20%ほど蒸発して凝縮感が増す。全体の味わいが濃厚で複雑なものとなるなかグラニュー糖による艶やかさと味のまとまりが出てくる。意外なことにアルコール分がほとんど飛んでいかないことにも驚く。

 特にアニスの不思議な香りと甘みが印象的で強烈な個性を感じさせる味わいは異国情緒に溢れており、体を芯から温めるとともにリラックス効果がある。湯気の立つグリューヴァインを手にして外に出て、雪を見ながら味わうのは格別の美味しさだ。

 

 今冬は雪も多く、厳しい寒さが続いているが、ホッとひと息つけるときにグリューヴァインを試してみてはいかがだろうか。

(シニアソムリエ・小樽)