明日はひな祭り。ちらしずしと(ハマグリ)の吸い物を召し上がる家庭も多いのではないだろうか。

 

 蛤と同じように二枚貝で、今の時期にはあまり見かけないが、私が北海道に住んでから気に入っているものに白貝がある。北寄貝などと混獲され、価格も手ごろながら味や歯応えもよく、熱を通すと真っ白な殻が開いた姿が(チョウ)のようにみえて美しい。

 白貝の正式名称はサラガイで3種類があるようだが、後志の海沿いを走ると白貝の看板も寿都や蘭越でみることができ、白貝と呼ぶことが定着しているのではないだろうか。

 トマトソースと白貝を合わせてパスタにするもよし、吸い物や酒蒸し、刺し身など料理の和洋を問わない万能選手だ。

 

 私は「しりべしコトリアード」に白貝を入れたらよいと思っている。コトリアードとは、フランスのブルターニュ地方の郷土料理であり、ジャガイモなどの農産物とエビや貝、魚のスープを生クリームと牛乳で仕上げたものだが、それを後志産の食材でアレンジしたのが「しりべしコトリアード」である。

 この料理は後志管内の複数のレストランのシェフによって開発され、普及に向けた推進協議会もあり、基本レシピもインターネット上で公開されている。最近は地域の食育活動などでも紹介されることが多い。

 

 白貝を使った「しりべしコトリアード」は後志の魅力に満ちた皿の上で蝶が舞うようなすてきな様相をみせてくれるだろう。地域性を感じさせる一品として、後志産の辛口白ワインとともに楽しんでもらいたい。

(シニアソムリエ・小樽)