アメリ大統領選で、トランプが勝っちまった。
「金半分払え!じゃないと在日米軍引き上げちまうぞ!」
そんなトランプが勝っちゃった。
女性蔑視当たり前、セクハラパワハラ当たり前のすけべオヤジが勝った。
圧倒的な大差をつけて。
つまり、
単純計算で、女性の半数以上がヒラリーさんではなくて、そんなトランプに投票したというわけです。
じゃあ、勝因は何か?
いろいろ言われていますけど、
コミュニケーションという観点だけで申しますと、
「我々の意見を代弁してくれていたのだ」
と、大半の労働者があの汚い言葉の数々にシンパシーを感じていたということでしょうか。
つまり、
「なんで俺たちが一生懸命働いたお金で、日本を守ったり、不法就労者や難民を食わさにゃならんのだ?ふざけるな!知らんわ」
そんな意地汚い考え方、思っていても口に出したらお里が知れてしまう。
それを、かつて、アメリカが強かった頃のあの不動産王が言っちゃってくれたもんだから、ヤンヤヤンヤの喝采というわけです。
「あんな汚い考え方、話し方をする赤いネクタイの変な髪型の金髪オヤジなんて支持するわきゃないでしょ!」
そう街頭インタビューで憤っていたご婦人方の半分は、トランプに票を入れたのですから。
トランプのあの汚い言葉は、テレビの向こうの外国の誰かに言っていたのではなく、自分の後ろにいる大半のアメリカ人労働者の心の叫びを吐き出していた。そして、彼らに、
「俺は分かってるぜ」
そういうことなのだろうと思います。
正直、私は、彼の大統領、嫌じゃありません。
だって、どうなるかなんて、わかりませんからね。
わからないのに、不安ばかり煽っても仕方ないし、トランプだって戦争なんてしたくないだろうし。戦争が一番国が疲弊するということを一番わかっている人だろうし。
それと、私が勝手に感じていることですが、小池百合子さんとなんとなく共通するものを感じたりもしています。
もちろん、品行については対極ですよ。
政治家としての戦略という意味においてはです。
現勢力に対する、反逆、抵抗。そして、革命という強いメッセージです。
小池さんは、
「議会を冒頭解散します」
と、できもしない宣言をして注目を集めました。
できなかったのだから本来なら批判を浴びても仕方ないけれど、彼女は賭けに出たわけです。
批判を浴びるかもしれない。でも、それ以上に、「注目を浴びる」ことはできる。当選しなければ意味がない。だから、当選するために必要なことをする。当選さえすれば、そのあと挽回すればいい。と。
女性が「男性的出世脳」を発揮した典型的な例だと言えるでしょう。
トランプも最初に、
「メキシコとの国境に万里の長城のような壁を作る」
と、宣言しました。批判を浴びたけれど、世界中の注目も同時に浴びたわけです。
でも、見事挽回した。
そして、彼の場合は、本当に壁を作るかもしれない。
わたしは作るだろうと予想しています。
なぜなら、彼は「有言実行こそ、真の男だ!」と、信じて疑わないからです。
これぞ、男が「男性的出世脳」を発揮した時の行き過ぎた典型的な例でしょう。
「リーダーは、方向性が明確であり、ぶれない」
小池さんもトランプもそういう意味においては、リーダーシップにふさわしい。
今の所、私の中ではそういう評価です。
1989年2月。
大学の卒業旅行で初めて行った海外旅行がニューヨークのマンハッタンでした。
当時は、バブル日本のアメリカ買いが盛んで、ものすごいジャパンバッシングが起きている真っ最中でした。
不動産会社に内定していた私は、ニューヨークまでの13時間のフライトの間、不動産王の伝記を読んで、アメリカンドリームの気分を味わいながら向かおうと、1987年に出版されて大ベストセラーだった「トランプ自伝』を買って飛行機に乗りました。
正直、全然面白くなかった。
自由の女神に登って、エンパイアステートビルに登って、貿易センタービルに登って、ダコタアパートを見に行って、
もちろんトランプタワーも見に行きました。
スーツを着用して、毎晩、ソーホーあたりに行けば、どこかのギャラリーでパーティーが開かれていて、勝手に入ってお酒と食事にありついていました。
私が日本人の学生だとわかると、すぐに人が寄ってきて、
「絵を買いに来たのか?」
と、話しかけてきました。
「学生だからお金持ってない」
と、答えると、
「だったら誰でもいいから日本人を紹介してくれ」
と、言われました。
「日本人はどこまで買えば気がすむんだ。どうせお前も数年後にはマンハッタンを買いにくるんだろう?」
とも。
その年の10月、日本企業がロックフェラーセンターを買収しました。
トランプはあの頃の恨みをまだ忘れてはいないんだろうな〜。
