保育園に入ったとたんのエピソード1
紅子さん(仮名)は初めての子供をゼロ歳児から保育園に入園させました。
入園当時は初めてのことばかりで右も左もわかりません。
保育園での暗黙のルール等もわかりませんでした。
たとえば、子どもを預ける前に必ずおむつを替えて渡す。下痢のときは預けてはならない。
慣らしというものがあるので4月からすぐに会社復帰はできないということも・・・。言われてみれば、なるほど、当たり前のことなのですが、なにぶん初めてのお母さん1年生。すべてが手探り状態なのです。
そして、何よりも驚いたのが、
保育園は働いているお母さんが子供を預ける場所であるのに、平日に集まらなければならない子どものための会が存在することも。
それは、ちょっと違う気がする…。
すべて知りませんでした。
4月のある日、登園してすぐに紅子さんは子どものおむつを替えて保育士に引き渡した直後、突然、肩をたたかれました。
振り向くと、
「き~め~た~。あなたに。すみれ会の0歳児連絡係よろしくね~」
まったく面識のないお母さんから軽いノリで言われました。
「あの、すみれ会って?」
「子どものための親の会よ。0歳児クラスの役員にあなたがなることになったから、連絡先教えて」
そう言って、自分のガラケーを開きます。
紅子さんが戸惑っていると、
「すみれ会というのはね…」
と、ペラペラと説明を続けています。。
たまりかねて、
「ちょっとすみません。すみれ会は強制なのですか?任意なのですか?保育園からは何も聞いてないんですけど」
そう言うと、その人の表情がキッとキツくなりました。
「強制じゃないけれど、みんな入るのよ!」
紅子さんはとにかくこの場をやり過ごしたい。そう思い、
「そうですか。強制でないなら私は参加しません」
そう答えて、立ち去ろうとしました。
すると、背後から、
「逃げるのね!!!」
と、声が飛んできたのです。
結局、それ以降、保育園でそのお母さん(結局、名前はわからないまま)と遭遇しても声をかけられることもなかったし、他の同級生のお母さんと話し合う時間もないので、すみれ会には入りませんでした。
保育園に入って、初めて同級生のお母さん同士が集まる会が開かれたとき、紅子さんは、外国籍のお母さんと自分を除いたすべてのお母さんがすみれ会に入会していたことを知ります。
しかも、そのお母さんたちは、そのすみれ会の役員を争うように、
「わたしがやる」
と、言い出しました。
「どうして?」
「だって高学年になると、もっと面倒くさい役員をやらされるから、低学年のうちに入っておいたほうが楽なんだよ」
「どうして入ったの?面倒くさいんだったら入らなきゃいいじゃないですか」
「紅子さん。入ってないの?それやばいよ。上の代の役員に目をつけられるよ。今からでも遅くないから入ったほうがいいよ」
みんなはあらかじめ、その保育園の情報を入手し、ママ友を統括するシステムがあることを知り、準備を整えていたのでした。
結果、紅子さんが初めてその暗黙のルールを破ってしまったお母さんとなり、ものすご~く目立つ存在になってしまったのです。悪い意味で。
そもそも、すみれ会とは、数年前、学年をこえて仲良く交流したい
と、思い立ったママ数名が中心となって立ち上げた任意の団体です。
その中心となったママたちは地元の商店街の方たち。
つまり、もともと地元に根付いていて、地元のお祭りや発展、治安に貢献してきた方たちの家族です。
そんな方たちですから、共働きといっても、比較的、時間を自由に作れます。その街は、ここ10年で周辺に大きなマンションが数棟建った関係でサラリーマンの共働き夫婦が増えました。
そんなママには平日、自由な時間は皆無。そこに、大きな隔たりが生まれてきていたのです。
しかし、保育園のママ友たちを牛耳っているのは、地元に根付いているママたち。マンションのママたちは新参者。そういう意識がお互いに最初からありました。だから、有無を言わさず、従わせる。
お子さんが2番目、3番目だというお母さんは、経験も豊富ですから、すぐに空気を読んで、黙って従うのです。しかし、お母さんになったばかりの紅子さんは、どうしても納得がいきませんでした。
紅子さんは、当時の思いを、このように語ってくれました。
「そんなことは強制されることではないし、実際に会に入っていなくても、違う学年のお母さんと仲良くなることはありました。またすみれ会の交流のために、ただでさえ少ない休みをつぶして、遠足の計画やクリスマス会などの計画、会報の発行、会計報告などしなければなりません。そういうことが好きな人、時間に余裕のある人は楽しいのかもしれませんが、土日を休んで月曜日からの仕事に備えたいという人だっているでしょう。平日は仕事があって、子どもと過ごせないから、休日は子どもとじっくり過ごしたいという人もいるでしょう。会に出ているお母さんの中には、休日に祖父母を呼び、子どもを見てもらって、すみれ会の会合に出ている。『そういう人ばかりだよ。だから紅子さんも出た方がいいよ』って、そんなの本末転倒です。子供のため。そう言って、みんな我慢してやりたくもないことをやったり、仲良くない人とも出かけたりしなければならないのです。それは絶対に間違っている。そういう人は幼稚園に入るべきです。わたしはそう考えています。うちはすみれ会に参加しなかったというだけで、他の参加している方から、『自分勝手』『子どものことを思っていない』と、さんざん陰口を言われました。でも、わたしは入りませんでしたよ。だからといって、子供がいじめられるなんてことも、仲間外れにされるなんてこともありませんでした。わたしは…、仲間外れにされましたね。そういうのが好きな人たちからは。どうぞって感じ。却って、気が楽でした」
vo2につづく
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