私が下の息子を産む間際、当時カーライルに住んでいた先輩お母さんから「もう私はこの時期越えたから、良かったら読んで」と頂いた本が2冊ある。
出産しても8時間越えたら帰宅を促されるイギリスの出産、私は入院するわけでもないが、まあ一応持っていこうと思い、頂いた本を病院に持参するカバンに入れた。

予定日1週間前になり陣痛がきたから、読む暇もなく、結局病院で読んだ。
当時私は2歳半になる娘が難しくなりつつあり、叱る事が度々あった。
しかしその度に罪悪感に襲われ、自分の未熟さと何故2歳相手に感情がコントロール出来ないのかと自分が嫌になっていた。
私は先輩お母さんにその事を話した事はない。
ただ、何気に読み始めた本を泣きながら読み終えるとは思いもしなかった。
それが右側にある2冊。

叱る必要などなかったのに叱った自分を客観的に見る事で、私はいかに自分がお母さんとしての心得なく娘を育てていたかを知る。
この2冊は何度も何度も何年もの間繰り返し読み、感情的になりつつある自分を戒める。
何度も読んでいるのにまた読んでを繰り返す。
この本をくれた先輩お母さんには、本当に感謝している。

また、私は娘が育つ過程で壁にぶつかった時に買った本があり、「心の基地はお母さん」と「いじめない、いじめられない育て方」がある。
娘が幼稚園で同じクラスにいた問題児の女子から、外見を揶揄され泣かされたりし始め、私は焦った。
後にそれはうちの娘だけではなく、クラスの女子全員がその問題女子から泣かされていると知るのであるが、娘がカーライルという白人率の圧倒的に高い地域で育つ以上、私は娘にはそれがコンプレックスにならぬようにしたかった。
また強い気持ちを持たせる育て方をせねばと考えた。
加えて、問題児の女子の心理を知る事で私が出来る事があるかもしれないと考え、日本から取り寄せた。

子育て本など読むなと義母が言った。
なぜなら、義母の姪が出産前から辞書みたいな育児本を読みまくり、その通り行かないと泣いてわめいたあげく、両親に子を預けて土日のみ子を育て、我が子が自分に懐かないと泣く人だったから、私には一切の子育て本を見るなと言っていた。
しかし親も子育て経験がない状況で親になる。
時に子育て本は自分に気が付くチャンスを与えてくれると私は思う。

息子で悩んでいるとき、日本の父が私に「時がきたら笑い話になるで」と言った。
本当にそうだった。
ただ、トンネルの真ん中にいる当時の私には出口の見えない日々だった。
参考になりましたら幸いです。
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