弱いんだー

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母が入院中の事。
集中治療室から一般病棟に移る際、母が看護師さんに「何人部屋に入りたい?」と聞かれたそうで、母は「何人部屋がおすすめ?」と聞いたところ、看護師さんが「4人部屋がおすすめ」と言われたそう。

4人部屋に入ってみると、脳梗塞を2度経験した半身不随のおばあちゃんを筆頭に、皆同じ境遇の方が入院していた。
誰もが病気に対して前向きで、朝から晩まで4人はカーテンを開けたまま話しては笑い、入院生活とは思えないほどに楽しく、「まるで同窓会みたい」と母は言ったと父が話してくれた。
1人、また1人と退院する時は涙でお別れしたというほどに友情が交わされ、不思議な入院生活だったと母は言っていた。

母が入院して2週目の事。
開いていた隣のベッドに日本ではないアジア人女性が入院してきた。
すぐに彼女と意気投合した母と同室のおばあちゃんは、日々ワイワイ言いながら過ごしていた。
彼女は16歳の時に日本に出稼ぎに来て以来、今も日本で働き暮らしている。
稼いだ給料を実家に送り、9人の兄弟の学費を稼ぎ、畑を買ってやり、今も母国に戻る際は日本のお米やカップラーメンを5キロ単位で買って親戚に配ると言っていた。

私も毎日、彼女と話した。
「日本に住んで35年、日本語を上手く読めないし書けないから、就ける仕事に限りがある。日本人上司から名前で呼ばれず、「おい〇〇人」と呼ばれる事もあったという。母国に帰りたいけれど、帰っても稼げる仕事はない。だからここで頑張るしかない。私はまだまだ従妹たちや姪っ子たちに送らねばならないものがあるからね」と笑って言った。

私は彼女と話していると、自分が実に弱いなと思った。
私は16歳からお金を稼ぎ、家族に送らねばならない境遇には無かった。
今も母国ではない国で働き続かねばならない理由、それは私とは明らかに違うだけに、彼女の強さに胸を刺される思いであった。

イギリスに戻れば私も外国人。
言葉もロクに話せないが、仕事にありつけたのは奇跡であると思っている。
それでも自分は全てにおいて恵まれているなと、母の入院を通して学べたことは事実である。
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