義母のおかげ

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私が人生で初めてローストビーフを食べたのはアメリカである。
それまで日本のデパ地下に売っているハムのようなローストビーフしか知らず、私はサラダな感じで食べるものなのだと思っていた。
それがラスベガスの「ベラージオ」ホテルが出来て間もない頃の事、そこで食べたローストビーフの美味かった事・・
友人と「何コレ!!美味っ!!」と悶絶したのを今でも覚えている。

中まで火が通りながらも完全なるピンクで肉汁滴るジューシーな肉、そこにかけられた赤ワイン風味のソース、そして外はカリカリに焼かれたローストポテト・・私は当時、ローストビーフってこんなに美味いんか!と思ったのである。

そうしてイギリスに来て、ローストビーフという食べ物が普通に一般家庭やパブ、レストランで食べられている物だと知り、私は嬉しかった。
しかしながら、あのアメリカで食べたようなピンクの柔らかな焼き加減を出す店に出くわすことなく、ましてや義母が作るローストビーフは完全なる焼き過ぎでパッサパサ、どんなに良い肉屋で肉を買ったとて、それは焼き方の腕なのだと分かったのである。

そうして遂に2年前、カーライルの「クラウンホテル」で絶妙な肉の焼き加減が出来る料理人に出会った。
イギリスに暮らして13年、初めて出会った。
おった!!この料理がちゃんと出来る人がおった!!
13年目にして1人に出会ったのである。

去年のクリスマスも義母は七面鳥、ビーフ、ラム肉を焼くと言った。
が、義母は「私、ビーフ嫌いなのよね。パサパサで喉を通りにくいでしょ」と言った。
心の中で「それはあんたの焼き方やがな・・」と呟けど、そんな言葉が言えようか・・
しかし、私はもう密かに自分で肉汁滴るピンク色のローストビーフを作れるように実はなっている。
しかしながら、義母には食べさせていない。
このピンク色の肉汁溢れるローストビーフを果たして美味しいと思うのか、あの人は・・そんな疑問があるからである。

さて今年も1キロの肉を焼き、ローストビーフは大成功。
前日に買っておいた白い玉ねぎと醤油でソースを作り、私は醤油とは何と肉に合うのか、ああ日本人で良かった・・と感動するのであった。

義母がローストビーフをパサパサに焼く人であったことで、私は肉汁滴るローストビーフを焼けるようになった。
これも義母のおかげである。
今年も色々あるけれど、私の人間成長はこの人ありきである。

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