いつか来る日②

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金曜日の朝、私は義母を町まで車で送って行く事になっていた。
ネイルサロンに行くらしい。
目の前にバス停がある家を400件もの家から見つけてやったというのに・・バスに乗らない義母・・
「帰りはタクシー拾うわ」と言う。
ならば朝もタクシー呼びなはれ・・心の中で般若の顔になる私。
「今日の午後は何するの?」と聞く義母。
「あなたを送ったら寝ます。熱がありますから」と嫌味に言う私。
「あらそう」と言う義母。
いつか、この人は私に「ありがとう」と言うだろうか・・

さて車内では前日の娘の話になった。
義母は「まあでも、この世は差別の存在する世界だから」と言い、義母が結婚した時の事を話し始めた。
義母は夫(私にとっては義父)の母親から死ぬまで嫁と認められなかった。
理由は義母の父親がアイルランド出身だからである。
つまり、義母がアイルランドの血をひくために、その血を自分の家系に混ぜたくなかった、これが理由である。

絶対白人主義でイングランド人しか系統にいなかった義母の義母家庭は、我が息子が連れてきたアイルランドの血を引く娘を拒絶した。
しかしながら強引に結婚。
結果、義母は生涯、姑にイジメられる事になる。

義母は言った。
どこに住んだって差別はある。
それに耐え抜く強さを養って行く事の方が賢い生き方だと。

トレンチコートの襟を立て、義母は颯爽と車を降りて行った。
すぐに煙草に火を付け、私に手を振った。
舘ひろしかと思った・・

憎めない義母。
この人にも苦労があったのだ。
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