お供え

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火曜日は義父の命日であるから、朝から墓参りに行ってきた。
期待を裏切る事無く、誰も来ていない様子のお墓は花も無かった・・
ここ数週間、仕事と子供のお稽古事で行く事が出来なかったが、暇な義母はどんなペースで墓に行っているのであろうか・・
命日は覚えているとは思うが・・いや、そう祈る。

夫は土曜に来ていた。
うちの夫はマラソンのついでに墓参りに来るため、いつも手ぶらで来る。
しかし、それで良いのである。
週1で墓に寄るのなら来る事に意味があり、義父も花など気にしていないと思う。

私はいつも白いバラを備えるのであるが、今日はピンクにしてみた。
義父の好きな肉屋「クランストン」のスコッチエッグ、ソーセージパイ、ポークパイを買うのが毎年のうちの決まりになっている。
それと、かつて一緒にスペインに旅行に行っていた際、いつも私がレストランで牛肉のカルパッチョを食べるのを見て「それは何だね?肉を生で食べて良いのかね?」と言った義父。
そこで食べて以来、牛肉のカルパッチョを好きになった義父であったが、何せカーライルの店でそんなものを出す店など無く、スペイン領に行かねば食べられなかったため、亡くなる半年前に食べたのが最後であった。

が、ドイツ系のスーパーで滅多に出回らないが売っている時がある。
私もここには滅多に行く事がないのであるが、行ってあったらまとめ買い。
悪くは無いが、やはりこういう食べ物は現地のレストランで食べるのが一番美味しい。

5年前の今日の午後、義父は心筋梗塞で亡くなった。
病院に別の理由で入院中、わずか3分~5分で亡くなったと医師から聞いた。
私は息子を妊娠中で出産日を3週間前に控えていた。
この日、夫が夜の11時過ぎに帰って来たのであるが、私に「ちょっと話がある」と言い、義父が数時間前に亡くなった事を聞いた。
夫がなぜこんなに遅くに帰ったかと言うと、義父が亡くなった事を臨月の私に知らせショックを与えてはならぬと、義母と夫で「出産するまで秘密にしようか」と本気で密談していたという。
絶対ムリやろ・・
しかし、義父と親しい私が「病院に会いに行きたい」と言うたらどないするのか?訃報を聞いた親族や友人らがカードやら花を送って来るかも知れない、そうなったら隠すのは無理や、もう言うしかない、という事で正直に言う事になったというから、今では笑い話になっている。

夫は義父が亡くなる前夜、仕事を7時半に終え疲れていたので病院に行く気は無かったが、何故か罪悪感に吸い寄せられるかのように病院に寄った。
義父は「待ってたんだ」と目を輝かせ、身体を綺麗にしたいからと、シャワーに入るのを手伝って欲しいと夫に頼んだ。
ひげも剃って欲しい、耳毛も鼻毛も処理して欲しい、爪も綺麗に切ってくれ、そう言って身体を綺麗にし、夜の10時前に帰宅した。
それが義父の天国への身支度となるとは思わずにである。
綺麗な義父で送り出す事が出来たのは、夫の感じた虫の知らせだったのだと思う。

しかしお墓に行くと、色んな人が来る。
私は朝に行くので人は少ないが、それでも様々な年齢の人がポツポツと見える。
今朝はタバコを吹かしながら墓をただ見つめ、静かに目を赤くしている若い女性がいた。
老犬を連れたいつも見かけるおじいちゃんは、いつも真っ白なハンカチで黙々と亡き妻の墓をピカピカに磨いている。
残された側にとってお墓は必要なんだなと、こういう風景をみるとそう思う。
私も亡くなった後、「ああ、死んでくれて良かったわ」と思われぬ生き方をせねばならんと思今日この頃。

これを今日、夜な夜な1人で喰うのである。
生肉を喰う女の巻。
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