島本理生さんが好きなのですが、
いろいろな方のレビューを見ていたときに
伊藤朱里さんとの対談記事を見かけて
気になって購入しました
県税事務所の、
滞納税を督促する部署の女性を描いた短編集です。
もちろん決して明るい話ではなく、
ハッピーエンドで読後感の良い小説!ではないです。
でも、感情移入して落ち込んで、
嫌な気持ちで終わる小説でもない……と思います。
うわー
刺さるっ!!
って感じです。
この方の感性すごいなー!と
一気にハマりました。
以下、多少ネタバレあります
「傷つきやすくて、繊細で、病んでしまった者同士だから、人の気持ちがわかる。
そうでしょうね、美しいですね、生きることに挫折させられた者同士で。
わかりやすい病名ひとつもらっただけで、この世で自分たちにしか、傷つく権利はないって顔をして」
「もっともらしくうなずく「ご意見番」の顔ぶれは
俳優だか歌手だか政治家だか作家だか、とにかく本職がわからない連中ばかりだった。
なにがしたいのかさっぱりわからないこの手のタレントを片付けるために、
ご意見番という肩書は使い勝手がいいらしい」
「信用って便利な言葉ですよね。
信じてるからって言えば放っておける。
信じてたのにって言えば相手のせいにできる」
「真面目な人ほど潰れやすいって、よく言うものね」
「でも、そんな言い方されるとさ。
なんとか持ちこたえられてる人間は真面目にやってない、だからもっと我慢しろって言われてるみたいで、
なんのために頑張ってるのかわからなくならない?」
↑いくつか抜粋してみたのですが
第四章、本当に刺されまくった感じで
抜粋すら難しく、、
帯の、ある本屋店員さんのレビューで
「満身創痍です」というものがありましたが
まさにそんな感じ
表題にもなっている
「きみはだれかのどうでもいい人」の
もっていき方もすごい。
そういう意味だとは思いませんでした。
あれが伏線、、
ラスト、その台詞!?
ワーキングガール・ウォーズみたいな
「明日からも頑張ろ!」小説ではなく。
どちらかといえば
わたし、定時で帰ります。みたいな
あるある!とリアルな描写の小説。
「下にゃ下があるって喜びゃいいの?」
という訳ではないんですけど
(そしてこの歌詞伝わりますか・・?
これも、曲タイトル含めて
すごい感性!と思ってます)
はー、、と
ため息をついた後に上を向けるような
そんな小説だと思います。
他の作品も読んでみたくなりました!
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