僕達ファミリーが下山を始めて暫くすると、後から聴き馴染みのある少女の声が・・・



「待ってぇ~!」





「待ってよぉ~~!」



「ねぇ~~!待って!?」




直ぐに声は近付いてきて、小さな少女はウキウキと嬉しそうにやってきました。


それから子供達は誰が一番早く下山できるかを競い合うように、物凄いスピードで元気に山を駆け下りていきました。












その子の御父様はダンディで優しそうな目をした何処と無く雰囲気のあるお方なのですが、全身バリバリのトレラン・スタイルでキメていました。


僕の予想通りダンディな御父様もこれまた物凄いスピードで山を下りていきました。



こちらはワイフのフォローをしながら、のんびりと山を下りていました。


だから下山したところで全員が待っていたのには少々恐縮しようとしました。けれども実際の僕は『恐縮』と言う漢字が書けなかったので、仕方なく収縮しました。











子供達は一面緑が広がる夏の大草原の中で、無邪気に笑いながらワルツでも踊るみたいに僕達の周りをくるくると回っていました。


だから子供達の誰もが皆、メリーゴーランドから眺める景色ように、周りの風景が自転を始めたのを眺めたのでした。


・・・・・






3時前にはテントに戻ることができたので、昨日と同様にまた温泉とお昼を食べに『雷鳥荘』へと向かいました。













ここまで行くのに石の階段をかなり登るので、登山後とかは結構しんどかったりするのです。














けれども良質な温泉に浸かれるので、そんな疲れなど一気に消し飛んでしまうのです。















雷鳥沢キャンプ場から歩いて直ぐのところにも雷鳥沢ヒュテとロッジ立山連峰の2つの宿泊施設があり、地獄谷から引かれた源泉駆け流しの日帰り温泉を楽しむことができます。


ただ昨日行ったことで非常にワイフが気に入ったこともあり、また今回も僕達、私達の『雷鳥荘』へ行くことになったのであります。



ここ雷鳥荘には映画『剱岳~点の記』のロケ時の写真が飾られていて、ビーバップなトオルとカマキリ先生がこちらに向かってにこりと笑っていました。


この日も極上の湯に浸かった後は、キンキンに冷えたビールで乾杯です。


僕達ファミリーは疲れた身体に染み渡るラーメンやカレーを咀嚼し、滋養強壮や肉体疲労の栄養補給に努めました。














Rukiがたこ焼きが食べたいと言うので買ってやりました。













wichaが枝豆を食べたいと言うので、仕方なくお得な『ビールセット』をご注文してみました❤












慣れない3000m級の山登りに疲れてしまったワイフは、椅子に座りながらいつの間にかウトウトと眠ってしまいました。


僕がお子達ふたりの額を寄せて、「ママ置いて帰っちゃおうかぁ?」と悪戯的な発言をすると・・・


Rukiはケラケラと笑い、wichaは目を輝かせながら、ふたりはイソイソと食べた食器を片付け始めました。


もちろん、込み上げる爆笑問題を抱え込みながら・・・


途中でワイフが起きたので、僕達は通常業務に戻り『片付けてあげた』感を醸し出しました。






テン場に戻ると小さな女の子が近付いてきて、また子供達は楽しそうに遊び始めました。














こちらは明るいうちに夕飯の仕度に取り掛かりました。



今回の食事については、メニューの選定から食材の手配まで全てワイフにお任せしました。


ワイフの考えに従って、玉葱とキノコを炒めてからベーコンを炒めました。













コンソメとトマトジュースで味を整えて、ご飯と一緒に煮込んでいきます。














最後にパルメザンチーズを振り掛けて味を調節しました。
















すると何故かトマトジュースの分量が多過ぎたリゾットが完成してしまいました。















この日は夜から雨が本格的に降り始めてきて、夜の宴は強制シャットダウンとなりました。



テントに入ると登山の疲れからか、直ぐに僕らは寝てしまいました。



真夜中に僕だけ目覚めて、テントから出ると晴れ間が広がっていました。












さっきまでの雨が嘘のように、天空には無限の星達が壮大なオーケストラを演奏していました。











僕はベンチに寝そべり、昨日よりも良く見える天の川の楽譜を遊泳しながら、流星たちが演出する夜の景色に目を奪われていました。


だから僕は流星の数を10まで数えて、これ以上数えても意味がないことに気付きました。




それから暫くして、景色に目を奪われてしまった僕は、自分の両目が無くなっていることに気付きました・・・








(おしまい)