よく知った人の実体験として、ほぼ原文まま。
以下


これは、ウェディングドレスのファッションショーに行った時の話なんですがね、結婚式のドレスを一応見たら良いと式場に勧められて行ったんですよ。

ドレスショーの会場は予約制でね、集まっていたのは明らかに僕とは違う世界の人たち。
いわゆるオラオラ系というか、体育会系というか、そんな感じだったんです。

正直、僕が得意ではないタイプの人たちだったんですよね。

で、怖いなー、怖いなーって思いながら店員さんに導かれるままに椅子に座ったんですよ。

そしたらなんと、いきなりふっ…と、明かりが消えたんです。

なんだ、どうしたんだ?!と思ったら、司会の人がハキハキした声でドレスショー開始のアナウンスをしたんです。

ここは大人しくしていなくては、と思ったのですが、新郎としてあまり親族に印象がよろしくないドレスを選ばせないようにはしておくか、とだけは思ってじっとしていました。

しばらくすると、いきなりふっと明かりがついたんです。スポットライトがつつつーっと壁をなでるように滑っていき、その先に照らし出したものを見て、僕は凍り付いてしまいました。

まずい!見てはいけないものを見てしまった!とっさにそう思いました。

そう、モデルさんが着ていたドレスは、ほぼ裸みたいなギリギリの布切れみたいなドレスだったのです。

しかし、あたりを見回すと、誰も気にしていないように見えるんです。あれはもしかしたら、僕だけに見えているのだろうかと思いつつ、視線を戻すと、今度はちょっと派手な普段着みたいな格好の女性が立っていました。

おかしいなー、ウェディングドレスのショーに来たはずなのに、普段着の人がいるぞ?!そう思いながらしばらくドレスショーに耐えていたんです。

そしてしばらくしたら、裸みたいなドレスを着た女性がまたしても出てきてしまいました。

しかも今度は布が薄すぎて明らかにもう色々見えてしまっていました。

まずい!また見てしまった!しかも今度は本当にまずいものを見てしまった…!…と、そう思いました。

しかし、あたりを見回しても、誰も気にしている様子はありません。

怖いー、怖いー!って思いながらひたすら大人しくしていたらショーは終わりました。

まあ、あれは式に着るものではないのだろうと思っていました。
しかし程なくして、司会の人が、では皆様に今のショーと同じドレスを着てみて頂きたいと思います等とアナウンスしだしたではありませんか。

さすがに二人とも怖くなって、急いで会場の人に一声かけて、そこから逃げ出すことができました。

以上

オタクがオラオラ系のドレスショップに行くのは難しいという話でした。