SWOT分析とは、1970年代までに提唱された経営方針に関する理論を、アンドリュース【経営戦略論 (1976年)】をはじめとするHBSの教授陣がまとめ生みだした分析技法です。
その内容は、外部環境の機会(Opportunities)と脅威(Threats)および内部環境の強み(Strengths)と弱み(Weaknesses)というSWOT要因を把握し、それぞれのフィットの在り方から、①内部環境の強みを活用して外部環境の機会に働きかける、②外部環境の機会を逃さないために内部環境の弱みを改善する、③外部環境の脅威から内部環境の強みを守る、④外部環境の脅威から被害を受ける前に撤退する、という4つの行動の内いずれかを、経営方針に沿って選択するというものです。

このコンセプトは、「外部環境の機会と脅威への対応をいかに行うか」という研究と、「内部環境の強みと弱みをいかに強化・克服するか」という研究が合体して出来ており、前者についてはチャンドラーの研究【組織は戦略に従う】などをベースにし、後者についてはセルズニックの研究【組織とリーダーシップ (1975年) (経営名著シリーズ〈71〉)】などをベースにしています。どのように両研究が合体しているのかと言えば、これまで組織は組織について 外部環境は外部環境について別個に扱われていたものが、企業が外部環境の変化に対応するため組織を変更すると(命題:組織は戦略に従う) 組織は内部整合性をとるために新たな価値を注入する必要がある(命題:制度的リーダーシップ)、といった具合に外部・内部環境を関連させて考慮するようになったのです。

さらに、このコンセプトが誕生する前までは 主に勘や経験に頼った意思決定が行われていましたが、その誕生によって、洩れなく隙間のない意思決定ができるようになると期待されました。しかし、SWOT分析にはある問題が内在してたんです。それは「機会や脅威を分析しなければならない事はわかった。じゃあ、いったいどうやってそれらを正確に把握したらいいのか?」「経営方針に沿って行動を選択すべきとあるが、どのような経営方針をとれば良いのか?」「選択した行動をどのように実行すれば良いのか?」という事です。

これらに答えを与えて注目を浴びたのが、アンゾフ達の研究と、その後に続くポーターをはじめとするポジショニングアプローチでした。アンゾフは、統計手法による外部環境分析の導入、製品市場マトリクスによる経営の方向性の決定、階層毎に目標を設定し組織化した階層別戦略の採用により、方向性の決定→SWOT分析→企業戦略立案→事業戦略立案→機能戦略立案→実行、という一連の戦略立案プロセスを開発して、上記の問題を解決したのです。そしてポーターは、外部環境分析と各階層戦略の立案をより詳細に行える概念として、5フォースモデル・戦略グループ概念・基本戦略・バリューチェーンを提唱し、上記プロセスを補強して貢献しました。
ちなみに、この分野の代表的な論者として、アンゾフ【最新・戦略経営―戦略作成・実行の展開とプロセス】、フォファー&シェンデル、スタイナー【戦略経営計画 (1978年)】、デイ【戦略市場計画―競争優位の追求】、がおり、マーケティング論を加えてアプローチした論者として、アーカー【戦略市場経営―戦略をどう開発し評価し実行するか】、ロスチャイルド【競争戦略開発法―市場優位のつくり方・守り方 (1984年)】【経営戦略実践法 (1979年)】【経営戦略発想法 (1977年)】、コトラー【マーケティングマネジメント―持続的成長の開発と戦略展開】などがいます。

このようにして開発・精緻化され発展した SWOT分析を含む戦略立案プロセスですが、またまた問題を内在してたんです。それは、洩れなく隙間なく完璧に分析され 立案された戦略のはずなのに、戦略が成功しないケースが多々発生したのです。その原因として「環境を静態的に分析するので、分析後に環境が変化したら戦略が無効化される」や「そもそも経営を、環境分析→戦略立案→戦略実行、というように分割しているから、環境変化に即応した戦略がとれないのだ」という事が指摘されました。この指摘に応えて登場するのが、戦略のプロセス型アプローチです…。

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