FRB議長が大手銀首脳と協議、バーゼル3最終化巡り係争回避狙う(24年8月18日 ブルームバーグ日本語電子版無料版)
原題:Powell Huddles With Bank CEOs to Avert Capital-Plan Legal Fight(抜粋)
記事(Katanga Johnson)
(1)要点
- パウエル氏、首脳との会合で規制案巡りFRBに協力するよう促す
- 銀行首脳からはFRBが修正案について単独行動するかとの質問も
(2)
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は最近、米銀大手の最高経営責任者(CEO)らと非公開の会合に出席し、銀行の資本規制強化案を巡って長年の係争に発展する事態を避けるため、FRBと協力するよう促した。
内情を知る複数の関係者によると、パウエル議長は、JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン、シティグループのジェーン・フレーザーCEO氏らに対して、銀行資本規制案の重要な変更について意見を述べる機会があると伝えた。同会合は業界団体の金融サービス・フォーラムが主催した。
(3)「バーゼル3の最終化と呼ばれる提案」
FRBはすでに、銀行の資本規制見直しで内容を大幅に弱めたものを提示し、一部の当局者は懸念を抱いている。バーゼル3の最終化と呼ばれるこの提案について、コンセンサスを重視するFRB理事会が譲歩しすぎているのではないかと疑問を呈する声も出ている。
(4)「金融ショック対応のため銀行に当初の資本積み増し16%義務づけ案を積み増し5%に後退」
FRB、米連邦預金保険公社(FDIC)、通貨監督庁(OCC)が2023年7月に公表した原案では、金融ショックを吸収できるよう、銀行に対して16%の資本積み増しを義務づけることが想定されていた。
しかし、FRBはその後、積み増し額を5%まで引き下げることを示唆した。これは資本規制強化案の中核部分を後退させる内容だった。
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原題:Powell Huddles With Bank CEOs to Avert Capital-Plan Legal Fight(抜粋)
ゴールドマン、米リセッション確率を20%に引き下げ 雇用統計下振れなら50bp利下げ圧力
ゴールドマン、米リセッション確率を20%に引き下げ-経済統計良好(24年8月18日 ブルームバーグ日本語電子版無料版)
原題:Goldman Cuts US Recession Risk Following Retail Sales, Jobs Data (抜粋)
記事(Alan Goldstein)
(1)要点
- 8月の雇用統計が良ければリセッション確率15%に再び引き下げも
- 9月のFOMC、25bp利下げがより確実-50bpの可能性も残る
(2)「今後1年間の米国景気後退の確率を25%から20%に引き下げ」
(ゴールドマン・サックス・グループのエコノミスト)
直近の小売売上高と失業保険申請件数のデータを踏まえ、今後1年間に米国がリセッション(景気後退)に陥る確率を25%から20%に引き下げた。
ヤン・ハッチウス氏率いるエコノミストらは17日の顧客向けリポートで、9月6日に発表される8月の雇用統計が「それなりに良さそうであれば、おそらくリセッションの可能性を15%まで引き下げるだろう」と説明した。15%は今月2日の確率変更前まで1年近く続いた水準だ。
(3)
米経済の底堅さを示すデータが相次ぎ、株式相場は今年最も好調な週となった。
1)7月の米小売売上高は2023年1月以来の大幅増となり、
2)今月10日終了週の米新規失業保険申請件数は7月上旬以来の低水準
を記録した。
(4)「8月の雇用統計が下振れならば9月に50bp利下げの圧力」
(ゴールドマンのエコノミストら)
9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利下げが「より確実」になったと考えているとコメント。
ただ、8月の雇用統計が下振れサプライズとなれば、まだ50bp利下げの動きを誘発する可能性があるとも指摘した。
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原題:Goldman Cuts US Recession Risk Following Retail Sales, Jobs Data (抜粋)