バイデン氏の固い決意に金は無力、傍観するしかないウォール街富裕層(24年7月9日 ブルームバーグ日本語電子版無料版)
記事の概要
(1)要点
- 民主党支持の富裕層、バイデン氏が選挙戦降りるまで献金見合わせ
- 「長老制から脱却を」、ノボグラーツ氏はXを通じて訴え
(2)「民主党が陥った過去最大級の危機」
(3)「民主党候補を代えれば、トランプに勝つ確率が高まる」
(4)「通常は金がものをいうが、今は違う」
(5)「潮目を変えられるのはシューマーやジェフリーズなどの民主党首脳部だけ」
(6)資産家のビル・アックマン氏「バイデン対トランプならトランプ氏に一票」
(7)「トランプと共和党の選挙資金はバイデン陣営に迫っている」
(8)「下院選では民主党候補が大量落選するとの懸念が強まってる」
記事(Amanda L Gordon、Bill Allison、Dawn Lim)
(1)要点
- 民主党支持の富裕層、バイデン氏が選挙戦降りるまで献金見合わせ
- 「長老制から脱却を」、ノボグラーツ氏はXを通じて訴え
(2)「民主党が陥った過去最大級の危機」
大事な局面で断固たる行動に出ることで勢力の変化を予期できると自負するウォール街の富豪らも、今回は手出しできない。
民主党が陥った過去最大級の危機を目前にして、多くの国民と同様、事態を見守るしかない。
(3)「民主党候補を代えれば、トランプに勝つ確率が高まる」
大統領選挙に出馬する民主党候補を代えれば、トランプ前大統領に勝つ確率が高まる。この見方は6月27日の討論会後からほとんど変わっていないと、あるウォール街企業の幹部は話した。
バイデン大統領自らは候補辞退を明白に否定し、夏季休暇からワシントンに戻る議員らの不満を鎮めようと腐心している。
バイデン米大統領(左)とハリス副大統領(右)Photographer: Tierney L. Cross/Bloomberg
(4)「通常は金がものをいうが、今は違う」
しかしこうした超富裕層の銀行家や投資家にとって明らかなのは、自分らにはその変化を起こす道がないということだ。
ウォール街がバイデンを追い出しているという筋書きを避けるため、傍観するのが賢明な選択肢だと考える者もいる。
通常は金がものをいうのだが、この場合は違うようだ。
バイデン氏の選挙陣営には2億4000万ドル(約390億円)の資金がある。
バイデン氏に代わる候補者のための資金を集める動きがあるが、とうていこの額には追いついていない。
リンク バイデン氏に再選断念を促す書簡、米財界リーダー168人が署名
(5)「潮目を変えられるのはシューマーやジェフリーズなどの民主党首脳部だけ」
あるウォール街の上級幹部は匿名を条件に、高齢のバイデン氏が選挙戦を続けることを不安に思う有権者は多過ぎると語った。
同幹部はそうした心配を打ち明けるのは家族や友人にほぼ限定しており、潮目を変えられるのはシューマー上院院内総務やジェフリーズ下院院内総務ら民主党首脳部だけだという。
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(6)資産家のビル・アックマン氏「バイデン対トランプならトランプ氏に一票」
ソーシャルメディアの「X(旧ツイッター)」への投稿で、自らの見解を説明。
同氏は民主党の予備選でバイデン氏ではなく、当選の確率がほぼないとみられるフィリップス下院議員を支持した。
「バイデン氏とトランプ氏の対決になるのなら、私は迷いなくトランプ氏に一票を入れる」と述べた。
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(7)「トランプと共和党の選挙資金はバイデン陣営に迫っている」
バイデン陣営が富裕層からの献金を必要としていることに変わりはない。トランプ氏と共和党が集める資金は、今ではバイデン氏に追いついてきた。
バイデン陣営への献金はここ数日で減少傾向だ。
長年の民主党献金者であるビン・ライアン氏によれば、バイデン氏に代わる候補が擁立されれば多くの献金者からの支持が集まる見込みだ。もっと若く、明確な弁舌の候補者に賭けたい人は多いという。
(8)「下院選では民主党候補が大量落選するとの懸念が強まってる」
民主党の資金調達に携わる2人が匿名で話したところによると、党は討論会の前からすでに激戦区の下院議員選への資金確保を優先し、献金者に訴えてきた。
しかし下院選では民主党候補が大量落選するとの懸念を強めている。
原題:Biden’s Biggest Donors Left Powerless to Sway Him to End Bid (1)(抜粋)