北朝鮮が弾道ミサイル、発射直後に爆発か…「Jアラート」は15分後に解除(24年5月28日 読売新聞オンライン無料版)

 

記事

 

(1)政府は27日、北朝鮮が同日午後10時43分頃、同国北西部・ 東倉里(トンチャンリ)付近から弾道ミサイル技術を使用した発射を行ったが、 飛翔体(ひしょうたい) は黄海上空で消失したと発表した。

北朝鮮の朝鮮中央通信は28日未明、同国の国家航空宇宙技術総局が27日に軍事偵察衛星を新型の衛星運搬ロケットで打ち上げたが、途中で空中爆発して失敗したと伝えた。

 

写真 北朝鮮から発射された弾道ミサイルの可能性があるものについて、市役所で情報収集にあたる防災危機管理課の職員ら(27日午後11時21分、沖縄県石垣市で)=長野浩一撮影

 

(2)北朝鮮と国境を接する中国・丹東市からは、読売新聞記者が弾道ミサイルの可能性のあるものが発射直後に爆発したような様子を確認した。

日本政府は沖縄県を対象に全国瞬時警報システム「Jアラート」を発令し、避難を呼びかけたが、日本には飛来しないものとして約15分後に解除した。

 

(3)韓国軍合同参謀本部によると、打ち上げられたのは北朝鮮が事前通告していた軍事偵察衛星とみられ、同本部は、27日午後10時46分頃に北朝鮮の沖合で多数の破片が探知されたとしている。米韓情報当局が分析を進めている。

 

写真 北朝鮮から発射され、上空で爆発したように見える飛翔体(27日夜、中朝国境の中国・丹東市で)=大原一郎撮影

 

(4)日本政府は北朝鮮に対し、北京の大使館ルートを通じて、厳重に抗議した。林官房長官は27日深夜の記者会見で「発射は国連の安全保障理事会決議に違反する」と非難した。

写真 北朝鮮・東倉里の方角から発射され、爆発したように見える飛翔体(27日夜、中朝国境の中国・丹東市で)=大原一郎撮影

 

(5)北朝鮮は27日未明、同日午前0時から6月4日午前0時までの間に「人工衛星」を打ち上げると通告していた。

 北朝鮮は、部品が落下する可能性がある海域として、朝鮮半島西側の黄海の2か所とフィリピン・ルソン島東側の太平洋上の計3か所を指定していた。いずれも日本の排他的経済水域(EEZ)の外側に位置する。