地方版政労使会議、賃上げを中心議題に 副大臣が初参加へ(24年1月29日 日本経済新聞電子版)

 

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(1)「地方版政労使会議」

厚生労働省は都道府県ごとに行政と労使の代表者が集まる「地方版政労使会議」で賃上げを初めてテーマにする。政府側からは副大臣を出席させる。

2024年の春季労使交渉は地方でどこまで賃上げできるかが課題となっており、機運の醸成を狙う。

 

(2)地方版政労使会議は2015年度から開催している。

これまで特定の議題を設けず開いてきたが、厚労省は24年1~2月を中心に賃上げをテーマに開くよう通知し、都道府県知事の出席も求めていた。

労働政策を担当する宮崎政久副大臣が出席する。閣僚や政務官を含め政務三役の参加は初めてだ。

 

(3)まず2月2日に大阪府の会議に参加し、吉村洋文府知事と並び、企業に賃上げに向けた価格転嫁などの重要性を訴える。

春までに計10カ所以上での出席を目指す。

 

(4)1月19日に徳島県で開いた会議では知事として後藤田正純氏が初めて出席した。

政府側では岸田文雄首相と経団連の十倉雅和会長、連合の芳野友子会長がそろい、22日に政労使会議を開いた。

首相は「可処分所得が物価上昇を上回る状態を官民で確実につくりあげる」と強調し、春季交渉で23年を超える成果をめざすことを確認した。