いや~やっとスクリーンで見れました。
「ジョーズ」は私が生まれて最初に映画館(渋谷パンテオン)で見た洋画(1976年)(当時は小学校3年生)そしてその後3番館である中野名画座で(1977年8月)見たのがスクリーンでは最後になり、その後、ビデオ(本価格と低価格)、VHD、LD、DVD、BRとソフト化されるたび毎に買う程私にとってフェバリットの作品。
本作品を見たから私の映画を見る人生が始まった作品。
午前十時の映画祭が始まって、毎回期待をもって本作品が掛かるかどうか期待して今まで掛からなかった・・・・
で、やっと、スクリーンで見直しが出来ました。
これで、明日死んでもいいかな、これで、スクリーンで見直したい作品は、1本もなくなりました。(厳密には、スクリーンで見たい映画は沢山有りますが、どうしても見直したかった作品はとりあえず夢が叶いました)
しかし、今回も映画館に行くまでのワクワク感は相当なものだった(笑い)
本作品を初めて見た時、当たり前なのですが、外人が出てきて英語をしゃべり、スクリーンの下に字幕が出る(当時の映画は、字幕が下に出るのが70mm作品で、右に出るのが35mm作品)のに驚き、少し大人になった気分でした。(小学校3年生だったので)また、当時の日本のテレビドラマなどしか見た事が無い私は、アメリカやアメリカ映画の価値観にだいぶ圧倒されました。
私が初めてみた洋画が「ジョーズ」と何とも贅沢な瞬間だったので、これを気に映画、特に洋画のファンとなり、映画館に通う人生がスタートしました。
本作品、何と言っても、主役であるサメがなかなか姿を現さないことにありますが、実は、この事には裏話があって、当初、このサメの機械、故障が大変に多く、また動いても思うように動いてくれなかったらしいです。
ですので、監督のスピルバークもスタッフもキャストも大変に困っていたのですが、ここはさすがに才能あるスピルバーク監督、彼の尊敬するヒッチコック監督ならこのような場合、ヒットコック監督ならどう乗り越えるだろうと考え、カメラでサメ目線だけで、撮り上げる事を進めて行ったらしい、なので、もしかすると、サメの機械が思うように動いていたら、本作品はヒットはしても名作にはならなかったのではないでしょうか、続編の「ジョーズ2」では、サメの登場が多すぎると酷評が有ったのは事実。
また、本作品の原作者であるピーター・ベンチリー(映画の中でもレポーター役で顔を出しますが)ですが、本作品の完成試写を見て映画の内容に大激怒「これは絶対ヒットはしない」と怒ったそうで、原作を書いたピーター・ベンチリー本人が映画の脚本を書いたのですが、スピルバークが「つまらない」と却下、自ら脚本を書いたが、プロデューサーに受け入れて貰えなく、スピルバークの友人の脚本家のカール・ゴッドリーブにお願いして脚本を書いて貰ったらしいが、なかなか書きあがらず撮影は脚本途中で始まり、スタッフキャストが連日ミーティングをとって話をその場で作ったり変更して作り上げたらしい、なので、撮影も予算も当初の3倍に膨れ上がり撮影中止も検討された、で、例えば、ラストで、フーパー(リチャード・ドレンファス)のサメ退治のシーンでも、クイント(ロバート・ショー)同様、原作では死ぬはずだったらしいが、生きている設定にしたので、ピーター・ベンチリーは大激怒して、「こんな映画ヒットしない、スピルバークはB級監督だ」と言った事にスピルバークは「原作が面白くないから脚色した」と反論したが、蓋を開ければ、大ヒット!スピルバークの名前を世に知らしめた作品となったし、単ある大ヒット映画ではなく、名作の1本ともなった。
続編である「ジョーズ2」の映画化の話がスピルバーク監督に有ったらしいが、「ジョーズはあの話で完璧」と言う自身の信念の元、監督を断ったらしい、私自身は、「ジョーズ2」はそれなりに楽しめる作品だと思っていますが、「ジョーズ2」以降、サメを題材にした模造作品も含めて、サメの映画に面白い作品はなく、それだけ「ジョーズ」の完成度が高いってころだろう。
何かのニュースで「ジョーズ」のリブートにスピルバークが意欲的な記事を見たけど、本当なのかな・・・・
改めで違う話でスピルバークにリブートして貰えるのなら見たいな・・・・
ちなみに、「ジョーズ」名義の2.3.4は正式な繋がりがあるが、ブロディ一家はサメに呪われているとしか言いようがない程、家族でサメの襲撃にあうんだよね。
また、ひとつ突っ込んでしまうのなら、ボーン市長は、「ジョーズ」で市長としての判断を誤っているのに、「ジョーズ2」では、市長のまんまと言うのも妙ですね。
で、確か「ジョーズ」のサメの設定がメスで、「ジョーズ2」のサメの設定がオスらしく、「ジョーズ2」はオスの復讐とも言われています。
また、スピルバークの「1941」の冒頭の「ジョーズ」のパロシーンでの女性は、「ジョーズ」の冒頭シーンでサメに襲われた女性を起用したそうです。
スピルバークが、本作品で出世したとは言え、当時はまだまだ無名の監督さん、「ジョーズ」は、その後スピルバーク監督作品と比べても一目瞭然で、子供が殺されるだとか、結構悍ましいシーンがふんだんに使われている。
今回のスクリーンでの見直しは、結構私としても気合を入れて見たのですが、ある意味大きなスクリーンで見ると、今回、ロバートショーの演技力の高さが大変に目立ちました。
公開当時は、私的には、リチャード・ドレンファスが好きで、その後もロイ・シェイダーも含め、映画ではよく見かけたので、両俳優に注目していましたが、ロバート・ショーの演技力の高さは、ぴか一!ロバート・ショーはこの後、数本の作品に出て亡くなってしまうのですが、改めて凄い俳優さんですね。
今回、TOHOシネマズ新宿のスクリーン1で見たのですが、もう少し大きなキャパのスクリーンを用意できなかったのかな・・・
私としては、本当は、新宿ミラノ座のラストショーで「ジョーズ」を見たかったな・・・・・
ま、これで、「ジョーズ」も公開できやすくなったと思うので、来年辺り、文芸座や早稲田松竹辺りで再上映を期待しよう。
また、今回、親が子供連れて見に来ていたが、私のように、本作品を見て洋画に映画に興味を持って貰える子供に育って貰えたら嬉しいな、私は独身なので、子供はいませんが、この時だけは、「自分の子供がいたら、連れてきたな」などと思いました。
最後に、「ジョーズ」は何度見ても色褪せない作品です。
昔良くても、今見ると、ちょっと残念な映画ってやはり、その世代世代の感性も有って見方も変わってくるのだと思うのですが、この「ジョーズ」は、今見ても大変に面白く、どの時代、誰が見ても「満足度の高い」作品だと思うし、そう言った作品がこそが名作と言われるものなんだろうと思いました。
色々な方から「生涯で一番いい作品はなんですか」と聞かれて私は「ジョーズです」と答えています。
その答えに笑う人が大勢いますが、文学的な作品ばかりが名作と呼べる価値があるモノとは限りません。
今回の午前10時では、「ジョーズ」が終った後、数十人の方から拍手が沸き起こりました。
このような、映画の好きな方達と「ジョーズ」が見れて大変に光栄な気持ちになりました。
ありがとう!「午前十時の映画祭」ありがとう!「スピルバーク監督」
「私にとって、ジョーズは永遠に不滅な作品です!」