ポータブル発電機 | 安川健人オフィシャルブログ「Think Globally、 Act Locally」Powered by Ameba

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猛暑・災害時の「電源」をどう確保するか

 

夏が来るたびに、地球温暖化の影響がますます身近な問題になっていることを実感します。

 

近年、夏の顕著な高温が続き、40℃を超える気温も毎年のように観測されるようになりました。

こうした状況を受け、気象庁は2026年4月、最高気温が40℃以上の日を新たに「酷暑日」と呼ぶことを正式に決定しました。

 

これまで「異常」と思われていたような暑さが、私たちの日常に迫りつつあります。

さらに心配なのが、猛暑と自然災害が重なった場合です。

 

地震や台風、豪雨などによって大規模な停電が発生すれば、照明や冷蔵庫、通信機器などが使えなくなるだけでなく、真夏にはエアコンが使えないことが熱中症など生命に関わる問題につながる可能性があります。

 

そこで私は、これからの防災には、食料や飲料水などの備蓄に加えて、各家庭が「電力を備える」という視点が必要ではないかと考えています。

私自身も、ポータブル電源とポータブルソーラーパネルを購入しました。

 

 

日常生活の中で再生可能エネルギーを活用するとともに、万一の停電時に、どの程度の電力を確保できるのか。

スマートフォンの充電や照明、冷蔵庫、扇風機、さらには暑さ対策のための機器などを、どのくらい使用できるのか。

これから自分自身で実際に使いながら検証していきたいと考えています。

 

8月7日、下田市役所を行政視察

8月7日、静岡県下田市役所を訪問し、「下田市家庭用ポータブル発電機等購入費補助金」について行政視察を行いました。

 

 

下田市役所では、防災安全課の課長・係長から、制度を導入した背景や実績、今後の課題などについて詳しくお話を伺いました。

 

下田市では、昨今の豪雨災害などによる停電被害が課題となる中、災害発生時の非常用電源を確保することを目的として、家庭用ポータブル発電機や蓄電池を購入する市民に対して補助金を交付しています。

制度が始まったのは令和5年度です。

対象となるのは、交流100Vの出力端子を備えた発電機または蓄電池で、購入費の2分の1以内、上限4万円が補助されます。

1世帯につき1回の制度です。

バッテリー式のポータブル電源だけでなく、ガソリン式やカセットボンベ式など、持ち運びのできる発電機も対象となっています。

県の交付金を活用して市民の防災力を高める

この制度でもう一つ参考になったのが、財源です。

 

下田市では、静岡県の「地震・津波対策等減災交付金」を活用しており、補助対象事業費の3分の1について県の交付金を充てています。

つまり、市が単独ですべてを負担するのではなく、県の制度を上手に活用しながら、市民一人ひとりの防災力を高める仕組みを作っています。

下田市の公式資料によると、令和5年度は41件、令和6年度は36件の実績がありました。

さらに今回の視察では、担当課から現時点で累計102件の利用があると伺いました。

下田市には約1万世帯があることから、担当課としては、まだ十分に普及したとは考えておらず、今後も周知・普及を進めていきたいとのことでした。

実際、下田市が公表している補助金の評価資料でも、「十分な成果とはいえない」としながらも、災害時の非常用電源として発電機やバッテリーの配備が進んでいると評価されています。

 

「防災用品」ではなく普段から使う

今回のお話の中で、私が特に重要だと感じたのが「フェーズフリー」という考え方です。

災害のためだけに購入し、普段は物置にしまっておくのではありません。

日常生活の中で使い、使い方に慣れておく。そして災害が発生した時には、その延長線上で非常用電源として活用する。

この考え方は非常に重要だと思います。

せっかくポータブル電源を持っていても、災害が起きて初めて箱を開けたのでは、使い方が分からないかもしれません。

 

普段からアウトドアや庭仕事などで利用したり、ソーラーパネルから充電してみたりする。

「日常」と「非常時」を分けないことが、結果として災害への備えにつながります。

 

行政職員の提案から生まれた制度

今回の視察でもう一つ印象に残ったのが、この制度が始まった経緯です。

下田市の公式資料には、事業開始のきっかけとして「災害発生時に非常用電源を確保する必要があるため」と明記されています。

さらに担当課からお話を伺うと、災害時の停電対策を考える中で、他自治体の事例なども参考にしながら、担当課から「下田市でも取り組んでみよう」と提案し、制度化につながったとのことでした。

地域の課題を行政の現場で捉え、他自治体の取り組みを研究し、利用できる県の制度を探し、新しい政策につなげていく。

横須賀市にとっても、大いに参考になる取り組みだと感じました。

 

横須賀市でも

「家庭の電力レジリエンス」を考えたい

 

今回の視察を通じて、改めて感じたのは、これからの防災では「家庭における電力の確保」がますます重要になるということです。

大規模災害が発生した際、すべての市民が避難所へ行くわけではありません。

住宅が安全であれば、自宅で避難生活を続ける「在宅避難」も重要な選択肢になります。

その際、それぞれの家庭が一定程度の電力を自ら確保できれば、スマートフォンによる情報収集や連絡、照明、冷蔵庫、暑さ・寒さへの対策など、最低限の生活を維持する大きな助けになります。

さらに、ポータブル電源と可搬型ソーラーパネルを組み合わせれば、太陽光という再生可能エネルギーを利用して電気をつくり、蓄えることもできます。

私はここに、

「脱炭素・再生可能エネルギーの活用」

「防災・減災、地域のレジリエンス強化」

を結びつける可能性があると考えています。

横須賀市でも現在、住宅への太陽光発電設備や蓄電池の導入に対する補助制度があります。

令和8年度は、個人向け太陽光発電設備に1kWあたり7万円、太陽光発電設備と併用する蓄電池には対象経費の3分の1を補助する制度が実施されました。

一方で、下田市のような「持ち運べるポータブル電源」を対象とした制度とは仕組みが異なります。

屋根に設置する太陽光発電設備や定置型蓄電池には大きなメリットがありますが、住宅事情などによって設置できない家庭もあります。

マンションや集合住宅に暮らす方でも導入しやすく、必要に応じて持ち運ぶことのできるポータブル電源や可搬型ソーラーパネルという選択肢も、防災の観点から研究する価値があるのではないでしょうか。

 

まずは自分で使って、検証する

政策を提案する以上、まず自分自身で使ってみたい。

そう考えて、私はポータブル電源とポータブルソーラーパネルを購入しました。

 

 

これから実際に、

・ソーラーパネルでどのくらい発電できるのか

・充電にはどのくらいの時間が必要なのか

・どのような家電が何時間使えるのか

・真夏の停電時にどこまで暑さ対策に利用できるのか

・普段の生活の中で再生可能エネルギーをどのように活用できるのか

などを試していきます。

そして、その結果もSNSやYouTubeなどを通じて発信していきたいと思います。

 

「行政にやってもらう防災」だけではなく、

「一人ひとりが自ら備える防災」へ。

 

今回の下田市で学んだことと、自分自身での実証を重ねながら、横須賀市における家庭の電力レジリエンスをどのように高めていけるのか。

今後の政策提言につなげていきたいと思います。

 

下田市も横須賀市と並ぶ「黒船来航・ペリー上陸ゆかりの地」