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オバマ大統領が13日午後、初来日する。


 当初、12日に来る予定だったが、テキサス州の陸軍基地で起きた乱射事件の追悼式に出席したため、予定を1日遅らせた。


14日、シンガポールにたつ慌ただしさだ。


 結局、日米首脳会談の主要テーマから外されたが、この間、異常だったのが、いわゆる親米派・知米派といわれる連中の「普天間基地」に対する主張だ。


鳩山首相が「オバマ大統領が来るということで急がなければならないとは思わない」と明言すると、気が狂ったようにぶっ叩いてみせた。


「普天間問題が火を噴くキッカケになったのは、10月20日に来日したゲーツ国防長官の発言です。『オバマ大統領の訪日までに解決しろ』『3年前の日米合意どおり辺野古への移設を受け入れろ』と迫った。


それでも、鳩山首相は『時間がかかる』と突っぱねた。


すると、外交通、防衛通と称される日本の言論人などが、アメリカ以上に『日米関係が壊れる』『鳩山首相は反米だ』と騒ぎ出したのです」(政界関係者)


 その尻馬に乗る形で、大新聞・テレビが、「米、鳩山政権にいら立ち」「岐路に立つ同盟」「危機感が足りぬ」と、「普天間問題」を煽(あお)り立てた格好だ。


●「普天間」の本当の目的は巨額な公共事業


 しかし、「普天間基地」問題が、日米関係の根幹に関わるなんて、ウソもいいところだ。


大マスコミは、日米合意どおりに履行しないと「日米関係の危機」に発展すると煽っているが、まったく実態が分かっていない。


 確かに、日本とアメリカは、06年5月、普天間基地を辺野古に「県内移設」し、14年に完了することで合意している。


4000億円のカネをかけて1800メートルの滑走路を2本造ることになっている。


 しかし、もともとアメリカが、普天間の代替施設として必要としていたのは、「45メートルの離着陸帯」だ。


それが、いつの間にか巨大公共事業に変貌してしまったのが、実態である。


「住宅街の真ん中にある普天間基地は危険なうえ、普天間基地の海兵隊員が少女暴行事件を起こしたことで、96年に返還が決まった。


米側にとっても、普天間基地は老朽化していたので、渡りに船だったのです。


 ただ、普天間の代替施設をどこに移すかは、二転三転した。


移設問題が行き詰まった05年には、米国が嘉手納基地との統合案を示しています。


要するに、米国はどこでも良かった。


辺野古にこだわっていたわけではありません。


むしろ、辺野古にこだわったのは、日本側です。


嘉手納基地との統合では、公共事業が不要だが、辺野古なら、巨大事業になるからです。


ゼネコンを中心にボロ儲けできる。


自民党政権時代、日本が主導する形で、辺野古に決着したのが真相です」


(政治評論家・本澤二郎氏)


 カタブツの岡田克也外相が「辺野古にしたくないという思いの中で、いまさまざまな検証作業をしている」と、思い詰めたように言いつづけているのも、自民党政権時代に合意された辺野古案が、薄汚い防衛利権にまみれていると分かっているからだ。


 なのに、大新聞・テレビは、辺野古への早急な移設を迫り、踏み切らない鳩山政権を批判しているのだから、どうかしている。


(日刊ゲンダイ2009年11月16日掲載)

2009/11/16 18:41 更新