今年の清明節は4月4日

清明節は、ご先祖様を祀りお墓参りに行く日とされていて、寒食節も含めて三連休で多くの方が帰省される予定だったとおもいます。


ちょうど昨年は台湾滞在中で、義父のご先祖様のお墓参りをしに台中のお寺に行っていました。

前日は大々的に準備をされていたので、台湾の地震の被害が拡がらないことを祈っています。

お茶関係者にも清明節は大切な日です。

お茶をあらわす言葉に

以前は春分から清明節の前に摘まれたお茶を

「明前茶」とされ

最近は気候変動で春分より前に採摘されることもありますが高価な貴重なお茶とされお茶ファンにとっては

いち早く春の明前茶を待ち望んでいます。


穏やかな日常が過ごせることが何よりもありがたいこととあらためて思います。

中国緑茶の西湖龍井茶(せいころんじんちゃ)

生産日チェックしますと

3月28日

清明節前なので明前龍井といわれます。

(手摘みの貴重な人気のお茶で高級茶です)

新芽だけのお茶で、茶葉の形が扁平です。

龍井茶は十大名茶の一つで

(トップと言われてきました)

味、香、色、形が素晴らしい四絶と表されます。

左から一級茶区の獅峰龍井茶、

明前龍井茶、

骑火龍井茶、

雨前龍井茶(清明節から穀雨前までのお茶で穀雨後のお茶は雨後茶)

花茶もあります(^^)

茉莉龍井茶(龍井ベースのジャスミン茶)

桂花龍井茶(龍井ベースの桂花茶)桂花は金木犀


骑火龍井茶というのは

寒食節とも関係します。(由来は長くなるので省きます)

清明節前日の寒食節には、火を焚くのを禁止し、

清明節当日になったら火を焚いて料理することができます。「火に骑る(のる)」と言います。

そこから清明節に摘まれた龍井茶は

「騎火茶」といいます。


江南に度々訪れて、龍井茶を愛し、

18株の専用茶樹を持っていた清代・乾隆帝の詩に

骑火茶についてのものがあります。

火前嫩,火后老,惟有骑火品最好。

「火前は柔らかく、火後は老いて、骑火品だけが最高です」

明前茶は新鮮で、雨前茶はまろやかで、

「鮮」と「醇」のどちらもあるのは「火に騎る」しかないということのようですね(^^)

獅峰龍井茶の茶畑の奥さんから

送ってもらった写真です。

熟練職人の手工程の様子。

鍋の温度は220℃くらい

素手で釜炒りして仕上げています。

手摘みの新芽

かごいっぱいに摘むのは至難の業

大変な作業ですよね。

綺麗な茶葉です。

お茶作りをされている方は

雨の量や太陽にあたった時間で

お茶の美味しさが変わるので

あのときは、雨前、雨後茶も美味しいよと

おっしゃっていました。

とても心に残っています。

私は出会えたら、どちらのお茶も丁寧に淹れて

美味しくいただいています。

シドニーに越してからは西湖龍井茶は 

なかなか出会うことが難しくなってしまいました。

观采茶作歌  乾隆〔清代〕

前日采茶我不喜 率缘供览官经理
今日采茶我爱观 吴民生计勤自然。
云栖取近跋山路 都非吏备清跸处,
无事回避出采茶 相将男妇实劳劬。
嫩荚新芽细拨挑 趁忙谷雨临明朝
雨前价贵雨后贱 民艰触目陈鸣镳。
由来贵诚不贵伪 嗟哉老幼赴时意
敝衣粝食曾不敷 龙团凤饼真无味。

最後の写真は西湖の畔を散歩してきたときのものです。お茶好きな乾隆帝は6回南巡し杭州を訪れています。乾隆帝は茶詩250首を書いたとされますが、西湖龍井茶の詩を何度も書いているそうです。茶摘みから製茶までの工程をみて、その苦労がわかり「观采茶作歌」を書いたのだそうです。