[お前に話がある!!すぐ下に来てくれ。]
30日午後18時頃。
ネット屋でネットをしていると、3時間前に明日のエア・インディア・エクスプレス、ムンバイ発デリー着のチケットの予約をしてくれた、階下のTOのスラリットが上がって僕に言った。慌ててるので、僕もすぐに下に降りる。
[さっき、予約したチケットの時間が変更になった。
お前は確かトルコ行きの便にデリーでトランスファーするって言ってたよな。
時間が遅くなって、デリーに到着するのがam4:30になった。]
僕がデリーから乗るトルコ行きの便はam5:10が出発時刻である。
am4:30にデリーに着いたのでは、到底間に合わない。
これは違う便を予約しなおすしかないかな。
明日の他の便で3000ルピーか4000ルピーの航空券はあるのかな。
あったらそれがいいけど。
[だめだ。他の便はすべて5000ルピー以上する。]
と、航空券リストをPC画面で見せるスラリット。
「ん?ちょっと待って、エア・インディア・エクスプレスの便の時間am01:30着のままじゃなかった?」
[サイトの更新には時間がかかるんだ。]
「じゃあ、なんで変更したこと知ってんの?」
[お前がモバイルを持ってない、というから、俺のモバイルの番号を登録しておいた。
そしたらエア・インディア・エクスプレスから、変更の連絡が来たんだ。
どうする、キャンセルするか?]
せっかく、3500ルピーで行けるのにな。
つかなんで、こんな急かしてくるんだ。
「いつその電話がきた?」
[今だ。5分前だ。]
チケットの価格が上がることに対する不満がキャンセルすることにストップをかけ、スラリットの慌てようが不自然に思えた。
不自然と言えばこのタイミングの良さ。もし僕がネット屋にいなかったら、スラリットはどうするつもりだったのか。
そういえば、時間変更はただスラリットからだけの情報だ。
ウェブではそのまま23:35発01:35着だ。
もし、TOが航空券予約を代行するときに、手数料をパーセンテージで取っているとしたら、もちろん価格の大きいチケットを売った方が儲けが多い。もしキャンセル代の中にもTOの取り分があるとしたら、キャンセルさせることにもインセンティブがある。そして、僕はチケット代をクレジットカードで支払っている。現金が財布に返ってくるのではなく、もらえるレシートを見てキャンセル処理の完了を確認するしかない。もし、うそのキャンセルレシートを発行することができるのなら、僕に計2枚の航空券を購入させることも可能。僕がそれに気づくのはトルコに着いてからである。
エア・インディア・エクスプレスの航空券が予約されていることは、オンラインで確認している。これは事実として。
時間の変更は確認していない。キャンセルをする前に時間変更を確認する必要がある。
「キャンセルの前に、時間変更の件を伝えなければいけない友達がいる。」
とあまりうまい嘘ではないが、そう言って一度TOを出た。
別のネット屋に入る。
さっき、TOの画面に出ていたのは、業者用の航空券総合サイトだ。
まず、エア・インディア・エクスプレスの公式HPをチェック。
→時間の変更はない。
Flight Infomation(NEW!)という欄にもなにも情報が出ていない。
つぎにエア・インディア・エクスプレスの電話番号を確認。
ムンバイ市内にあるオフィスと、空港の窓口の2つの番号を控える。
電話屋に行く。
まずはオフィスに電話する。
8コールしたのち、切れた。
時間は18:30、もう営業時間終了なのか。
次に空港にかけてみる。
自動オペレーションがつなぐ先の案内をする。
“Flight Information, Press 4”
だけ、聞こえたので、4を押す。
「I wanna ask you about tomorrow Flight schedule. Flight number is 144.」
[Please wait a moment.]
「Yse.」
[...................................Hello?]
「Hello?」
[Flight number 144, Leaving time at 23:35, arriving time at01:30. ]
「Excuse me?」
[Flight number 144.....(以下同文)]
聞き直したが、同じだった。
「Didn't it change the scheduke?」
[Flight number 144..........]
「OK.Thank you.」
すぐにTOに向かう。
スラリットの姿はなかった。
店番をしてた男に「あいつはどこだ?」と聞くと
[5分待て。]と言う。
[結局どうすることにしたんだ?]と男が聞いてくる。
「おれはあいつに話があるんだ。あいつはなんて名前なんだ。」
[スラリット」
今までの旅行の中で、誰かに違う誰かの名前を聞いたことはなかった。
直接名前を聞き、僕も名乗り、そのあとに“Nice to meet you”と握手があった。
次に会ったときに挨拶するためではなく、
これから始まるであろう議論に、少しでも自分が優勢になるように相手の名前を聞きだした。
5分たったが、まだスラリットは来ない。
「すぐ来るのか?」
[あと5分だ。]
だから5分はもう経ってるんだよ!
この男にも腹が立ってきた。
こいつもグルか?
ホントにそこから5分でスラリットが入ってきた。
「確かか?」
[なにが?]
「フライトスケジュールの変更がだよ。確かか?」
[ああ。電話が来た。]
「確かか?」
[確かだ。]
「じゃあもう一度電話できるか?」
[もうオフィスは閉まっているから。]
「もう一度電話しろ!」
オンフックで電話するが、8コール鳴って、それから切れた。
[18時でオフィスは閉まるからつながらないよ!]
「じゃあ空港の窓口に電話しろ。」
[タイムラグがあって、まだ空港には伝わってない。]
「なんでわかるんだ!?」
[そういうものなんだ!こういう場合、まずパッセンジャーに連絡が行く。空港やネットの情報の更新は二の次なんだ。]
「俺はさっき空港の窓口に電話で聞いた。時間変更はない、と言っていた。それはタイムラグがあるからじゃない。時間変更がないからだ。」
[違う、タイムラグだ!!]
「わかった。じゃあ明日の朝オフィスが空く時間を教えろ。朝に電話する。」
[9時には空いているけれど、その時間になったらキャッシュバックが50パーセントだけになるぞ。今キャンセルすれば70パーセント返ってくる。]
「わずかな差だ。構わない。」
そう吐き捨てて僕は、TOを出た。
次の日、31日の朝。
目覚めたのが9時だった。
エア・インディア・エクスプレスの市内オフィスに電話する。
時間の変更はあった。
すべてスラリットの言っていた通りだった。
彼の慌てようは芝居ではなかった。
本当にたまたま、僕がネット屋にいた時に電話がかかってきたのだった。
ネット屋のTOに行くと、そこにスラリットはいなかった。
「スラリットはいるかい?」
これは昨日のような呼び出しではない。
昨日の夜にいた男ともスラリットとも違う男が
[今日は遅番だよ。]
と言った。
僕は彼にエア・インディア・エクスプレスのチケットのキャンセルと、新しいチケットの予約を頼んだ。
新しく買ったチケットは5500ルピーで、キャンセルのキャッシュバック分の1600ルピーが差し引かれた、3900ルピーを支払った。
僕が想像したような、キャンセル詐欺はできない仕組みで、新しいチケットは手に入った。
ムンバイの空港へのタクシーに乗る直前に、ネット屋に寄った。
スラリットがいた。
「I have to say sorry.
Srarit, you are right.
I was doughting you.」
[You didn't believe me.]
[No.
But in this case,like, I have to check by myself.]
と僕が言うとうなずいて、少し間を置いた。
そして
[You are japanese, but you are not stupid.
There are bad peaple in Istanbul.
Take care.]と、
皮肉と褒め言葉とアドバイスが混ざったことを言った。
「I'm leaving.」
とだけ言って、僕はネット屋を出た。
笑顔で“See you!”というわけにはいかないから。
僕はデリーでラジェンダさんを騙そうとした。
ムンバイでスラリットの親切を疑った。
0910311423
ラジェンダさんって誰?
⇒『デリー→ムンバイ』へ
http://ameblo.jp/watarynoway/entry-10369207973.html
30日午後18時頃。
ネット屋でネットをしていると、3時間前に明日のエア・インディア・エクスプレス、ムンバイ発デリー着のチケットの予約をしてくれた、階下のTOのスラリットが上がって僕に言った。慌ててるので、僕もすぐに下に降りる。
[さっき、予約したチケットの時間が変更になった。
お前は確かトルコ行きの便にデリーでトランスファーするって言ってたよな。
時間が遅くなって、デリーに到着するのがam4:30になった。]
僕がデリーから乗るトルコ行きの便はam5:10が出発時刻である。
am4:30にデリーに着いたのでは、到底間に合わない。
これは違う便を予約しなおすしかないかな。
明日の他の便で3000ルピーか4000ルピーの航空券はあるのかな。
あったらそれがいいけど。
[だめだ。他の便はすべて5000ルピー以上する。]
と、航空券リストをPC画面で見せるスラリット。
「ん?ちょっと待って、エア・インディア・エクスプレスの便の時間am01:30着のままじゃなかった?」
[サイトの更新には時間がかかるんだ。]
「じゃあ、なんで変更したこと知ってんの?」
[お前がモバイルを持ってない、というから、俺のモバイルの番号を登録しておいた。
そしたらエア・インディア・エクスプレスから、変更の連絡が来たんだ。
どうする、キャンセルするか?]
せっかく、3500ルピーで行けるのにな。
つかなんで、こんな急かしてくるんだ。
「いつその電話がきた?」
[今だ。5分前だ。]
チケットの価格が上がることに対する不満がキャンセルすることにストップをかけ、スラリットの慌てようが不自然に思えた。
不自然と言えばこのタイミングの良さ。もし僕がネット屋にいなかったら、スラリットはどうするつもりだったのか。
そういえば、時間変更はただスラリットからだけの情報だ。
ウェブではそのまま23:35発01:35着だ。
もし、TOが航空券予約を代行するときに、手数料をパーセンテージで取っているとしたら、もちろん価格の大きいチケットを売った方が儲けが多い。もしキャンセル代の中にもTOの取り分があるとしたら、キャンセルさせることにもインセンティブがある。そして、僕はチケット代をクレジットカードで支払っている。現金が財布に返ってくるのではなく、もらえるレシートを見てキャンセル処理の完了を確認するしかない。もし、うそのキャンセルレシートを発行することができるのなら、僕に計2枚の航空券を購入させることも可能。僕がそれに気づくのはトルコに着いてからである。
エア・インディア・エクスプレスの航空券が予約されていることは、オンラインで確認している。これは事実として。
時間の変更は確認していない。キャンセルをする前に時間変更を確認する必要がある。
「キャンセルの前に、時間変更の件を伝えなければいけない友達がいる。」
とあまりうまい嘘ではないが、そう言って一度TOを出た。
別のネット屋に入る。
さっき、TOの画面に出ていたのは、業者用の航空券総合サイトだ。
まず、エア・インディア・エクスプレスの公式HPをチェック。
→時間の変更はない。
Flight Infomation(NEW!)という欄にもなにも情報が出ていない。
つぎにエア・インディア・エクスプレスの電話番号を確認。
ムンバイ市内にあるオフィスと、空港の窓口の2つの番号を控える。
電話屋に行く。
まずはオフィスに電話する。
8コールしたのち、切れた。
時間は18:30、もう営業時間終了なのか。
次に空港にかけてみる。
自動オペレーションがつなぐ先の案内をする。
“Flight Information, Press 4”
だけ、聞こえたので、4を押す。
「I wanna ask you about tomorrow Flight schedule. Flight number is 144.」
[Please wait a moment.]
「Yse.」
[...................................Hello?]
「Hello?」
[Flight number 144, Leaving time at 23:35, arriving time at01:30. ]
「Excuse me?」
[Flight number 144.....(以下同文)]
聞き直したが、同じだった。
「Didn't it change the scheduke?」
[Flight number 144..........]
「OK.Thank you.」
すぐにTOに向かう。
スラリットの姿はなかった。
店番をしてた男に「あいつはどこだ?」と聞くと
[5分待て。]と言う。
[結局どうすることにしたんだ?]と男が聞いてくる。
「おれはあいつに話があるんだ。あいつはなんて名前なんだ。」
[スラリット」
今までの旅行の中で、誰かに違う誰かの名前を聞いたことはなかった。
直接名前を聞き、僕も名乗り、そのあとに“Nice to meet you”と握手があった。
次に会ったときに挨拶するためではなく、
これから始まるであろう議論に、少しでも自分が優勢になるように相手の名前を聞きだした。
5分たったが、まだスラリットは来ない。
「すぐ来るのか?」
[あと5分だ。]
だから5分はもう経ってるんだよ!
この男にも腹が立ってきた。
こいつもグルか?
ホントにそこから5分でスラリットが入ってきた。
「確かか?」
[なにが?]
「フライトスケジュールの変更がだよ。確かか?」
[ああ。電話が来た。]
「確かか?」
[確かだ。]
「じゃあもう一度電話できるか?」
[もうオフィスは閉まっているから。]
「もう一度電話しろ!」
オンフックで電話するが、8コール鳴って、それから切れた。
[18時でオフィスは閉まるからつながらないよ!]
「じゃあ空港の窓口に電話しろ。」
[タイムラグがあって、まだ空港には伝わってない。]
「なんでわかるんだ!?」
[そういうものなんだ!こういう場合、まずパッセンジャーに連絡が行く。空港やネットの情報の更新は二の次なんだ。]
「俺はさっき空港の窓口に電話で聞いた。時間変更はない、と言っていた。それはタイムラグがあるからじゃない。時間変更がないからだ。」
[違う、タイムラグだ!!]
「わかった。じゃあ明日の朝オフィスが空く時間を教えろ。朝に電話する。」
[9時には空いているけれど、その時間になったらキャッシュバックが50パーセントだけになるぞ。今キャンセルすれば70パーセント返ってくる。]
「わずかな差だ。構わない。」
そう吐き捨てて僕は、TOを出た。
次の日、31日の朝。
目覚めたのが9時だった。
エア・インディア・エクスプレスの市内オフィスに電話する。
時間の変更はあった。
すべてスラリットの言っていた通りだった。
彼の慌てようは芝居ではなかった。
本当にたまたま、僕がネット屋にいた時に電話がかかってきたのだった。
ネット屋のTOに行くと、そこにスラリットはいなかった。
「スラリットはいるかい?」
これは昨日のような呼び出しではない。
昨日の夜にいた男ともスラリットとも違う男が
[今日は遅番だよ。]
と言った。
僕は彼にエア・インディア・エクスプレスのチケットのキャンセルと、新しいチケットの予約を頼んだ。
新しく買ったチケットは5500ルピーで、キャンセルのキャッシュバック分の1600ルピーが差し引かれた、3900ルピーを支払った。
僕が想像したような、キャンセル詐欺はできない仕組みで、新しいチケットは手に入った。
ムンバイの空港へのタクシーに乗る直前に、ネット屋に寄った。
スラリットがいた。
「I have to say sorry.
Srarit, you are right.
I was doughting you.」
[You didn't believe me.]
[No.
But in this case,like, I have to check by myself.]
と僕が言うとうなずいて、少し間を置いた。
そして
[You are japanese, but you are not stupid.
There are bad peaple in Istanbul.
Take care.]と、
皮肉と褒め言葉とアドバイスが混ざったことを言った。
「I'm leaving.」
とだけ言って、僕はネット屋を出た。
笑顔で“See you!”というわけにはいかないから。
僕はデリーでラジェンダさんを騙そうとした。
ムンバイでスラリットの親切を疑った。
0910311423
ラジェンダさんって誰?
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http://ameblo.jp/watarynoway/entry-10369207973.html