【読書ごと】佐藤青南「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズ | 海獣日和

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現役テクニカルライターが書く、海獣とバイクと旅と映画の取説。ときどき、真面目な呟きも。

一日で突然3つも記事を上げていますが、書きたいことがいろいろあったのに、なかなか時間が取れなかったので、一気に書いています。

読書のお話。今嵌まってたいへん面白く読んでいるのが、こちらのシリーズです。


「サイレント・ヴォイス」(宝島社 \699)
楽天 http://books.rakuten.co.jp/rb/12082025/

主人公は行動心理学を元に、相手のしぐさや習慣、行動で嘘を見破る特技を持つ刑事、楯岡絵麻。犯人の自白を100%引き出す実績と、絵麻という名前からもじって「エンマ様」と呼ばれています。

犯人との心理戦がメインとなる物語のため、シーンのほとんどは取り調べ室の中。絵麻は相手の「言葉」ではなく、その言葉を言った時のちょっとした動作から、真実を暴いていきます。
こういう作品の場合、クレバーな頭脳派が理詰めで犯人を追い詰めていく描写に、読んでいてイラッとしてしまうことがたまにあるのですが、この作品は違いました。

まず、主人公が結構感情的。相手の行動パターンをサンプリングして、嘘を見破れるという高い能力を持っているのですが、どこか人間くさくて、嫌味がありません。
また、彼女が犯人の嘘をことごとく見破って真相に近づいていく過程は読んでいて単純に面白く、スカッとします。

30代半ばの妙齢。モデルのような美女でありながら、独身。相手の嘘を見破れるという能力が災いとなって、彼氏と長続きしない。「結婚」というキーワードに敏感。
そんな女性像も同姓が読むと可愛らしく、共感を覚えます。

それでいて、物語の軸となる事件自体も細かく作りこんでいるので、ワンパターンにならずに、推理小説としても十分楽しめるのです。

今回もジャケ買いだったのですが、こういうのが成功すると、とても得をした気持ちになりますね(´∀`)。

シリーズは現在3冊まで。
ちなみに最新刊の「インサイド・フェイス」は三茶のTSUTAYAで買うと、こんな特典が付いてきました。



なんと作者の佐藤青南さん書下ろしスピンオフ作品です。フェアに合わせて書かれた三茶TUSTAYA限定の特典だそう。
活字好きにとっては、サインとかよりもこういう特典が嬉しいですね。

3巻は私もこれから読みます。今週のお昼休みと移動時間は、これでかなり楽しめそう( ´艸`)。