うすら寒い | 渡辺やよいの楽園

渡辺やよいの楽園

小説家であり漫画家の渡辺やよい。
小説とエッセイを書き、レディコミを描き、母であり、妻であり、社長でもある大忙しの著者の日常を描いた身辺雑記をお楽しみください。

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 息子が作ったハムスターのお墓。
 今日は癌検診。初めてのPET検査。全身の癌検査がいっぺんでできる。どれほどのものか興味がある。

 今朝は、息子と「今日コロコロコミックを買うか、明日買うか」という、実にばかばかしくも単純なことでいさかい。息子ふくれっつらで行ってきますも言わずに登校。
 子どもを叱ると、自分が一日気分が悪い。子どもの方はあっさり忘れて帰ってきたりするが。私は怒鳴られ叱られつけた子どもだったので、自分が親になっても、つい、叱られる方の気分にシンクロしてしまう。自分に子どもができると、私が子どもの頃に、母親にさんざん怒鳴られたり叩かれたり叱られたりしたことの大半は、しなくてもいいことであったと分かる。子どもは、大人から見ればいらいらすることばかりするが、それはすべて自分が大人であるからそう思えることで、子どもには分からないことできないことばかりなのだ。生まれた時から大人のような顔をしている親。確かに子どもが生まれた時にはすでに大人だろうが、子どもはまず、子ども時間から始まるということを、すっかり忘れてしまうのだ。
 自分が理不尽なことをされたのだと、子どもの時の苦しい記憶を再確認することは、二重に苦痛だ。
 それが母親に私が「大人になっていない」ためだといわれてしまうと、三重に苦痛になる。
 大人とは、都合の悪いことはすべて忘れしまうことなのか。