白猫と藤原君 | 渡辺やよいの楽園

渡辺やよいの楽園

小説家であり漫画家の渡辺やよい。
小説とエッセイを書き、レディコミを描き、母であり、妻であり、社長でもある大忙しの著者の日常を描いた身辺雑記をお楽しみください。

dango
 昨日、再び二俣川のNPO動物ボランティアさん宅を訪れる。今回は車でいった。
 厚木街道まではスムーズに来れたが、その先で大いに道に迷い(うちのナビは古くてそのあたりの地名がなかった!取り替えよう……)やっと到着すると、代表の方が「もう一生行き着けないかと思ったわ」と、笑う。
 オットに「これ以上増やしたら離婚!」と、いわれ、最後の猫を引き取ることに。
 オッドアイ(左目が青右目が金)、ボブテイル(短いしっぽ)の白い雄の子猫。
odo
 里親詐欺多いということで、誓約書にサイン。「ありがとう幸せにしてやってください」
 だんごのような尾っぽなので「だんご」と、名付ける。
dan
 帰りは順調に運転。連れて帰ると、先住の猫たちは、この新参者にふうふう怒っているが、だんごは全く物おじしないので拍子抜け。姉さん格のもかが、しきりにけんせいするが、だんごが遊んでくれるのかと喜んで飛びつくので、いつの間にか、怒りつつ遊ぶもか。
hujiwara
 夕方からは、渋谷のブックファーストで、藤原竜也クンの写真集発売記念握手会があるので、慌てて飛び出して行く。土曜日に同じ渋谷のシアターコクーンで「天保十二年のシエイクスピア」の楽にも出かけていて、渋谷に連日かよう。芝居が終わったばかりで、翌日500人と握手するとは、人気俳優はつらいことよ。
 階段にずらりと並ぶ整理券を手に入れた人々(ほとんど女性)、私の隣の、一人で来ていた50代の女性が「ファンクラブにも入っているの。平日は仕事していて、日曜くらいしか出て来れない。オットがひんしゅくしているけど、いいの。生きている張りよねぇ」と。そのとおりですと話がはずむ。
 握手会が始まる。
 さすがに疲労しているのか、途中で藤原クンに休憩が入る。300番の私の番は、1時間後に回って来る。
 ラフなかっこうの藤原クンは、ひょろりと背が高く可愛い。
 一冊一冊写真集を渡して、少しお話してくれて握手。
 目の前にした藤原クンは、顔に疲れがありあり、でも、プロなので、にっこり笑って握手してくれる。細い手は、汗ばんでいた。
 外に出て夕暮れの渋谷を足早やに歩いて行くと、景色が美しく見える。単純だが、これが生きる張り、というもの。なんとも幸せな1日。

 今日から仕事に頑張れる。