年金制度は一度『ご破算』に! | 渡邉美樹オフィシャルブログ 夢に日付を!(ワタミグループ創業者) Powered by Ameba

年金制度は一度『ご破算』に!

 通常国会が明日(26日)閉会し、私の議員生活も事実上、終止符が打たれる。最後になり、“パンドラの箱”を開けるようなことがおきた、それが「老後資金2000万円問題」である。

 私は、2000万円どころか「6000万円不足する」と考えている。年金制度も一度「ご破算」にすべきと提言をしてきた。

 米国のあるコンサルティング会社が、各国の年金制度を指数化し、ランキングにしている。2017年の試算では、日本は対象30カ国中29位だった。18年も低い位置に留まっている。日本より下位のアルゼンチンは、過去8回のデフォルト(債務不履行)を経験しており、3年間でインフレ率は約3倍となった。年金支給額は、インフレ率が加味されなければ実質約3分の1まで目減りすることになる。

 万が一、日本がアルゼンチンのようになった場合、必要額は6000万円となる。さらに、今回の2000万円という数字は、あくまで厚生年金に入っている人の場合だ。国民年金単体の人はさらに老後資金が必要である。もっと深刻なのは、国民年金未加入の人の、老後資金である。国民年金の納付率は65%(18年3月現在)までに低下している。この問題は、より深刻なはずだが、現在の議論ではこの視点は欠けている。

 少子高齢化が加速する日本で、将来不安は拭いきれない。以前は、現役世代11人で高齢者1人を支えていたが、2040年には1・5人で1人という試算もある。納付者が減り、原資も減れば制度自体が持たない。年金の約半分は、国庫から負担している現状もある。

 年金制度を持続可能にするには、国が健全であることが大前提だ。政府は、物価や賃金の変動によって年金給付額を調整する「マクロ経済スライド」を導入して、現行制度を「持続可能」としているが、基準が分かりづらい。私は「ベーシックインカム(最低限所得保障)」と「自己責任原則」の視点から、独自の年金改革案を提言してきた。

 まず、(1)基礎年金(一階建て部分)は、老後の最低限の生活保障とし、保険料方式から消費税でまかなう方式に切り替える(2)厚生年金(二階建て部分)は、賦課方式(=現役世代が払い込んだ金を高齢者に支給する仕組み)から積立方式に変更するというものだ。その場合、高所得者は、基礎年金の受け取りを辞退することが望ましい。もちろん、私も辞退する。いずれにしろ「年金制度」は限界に来ており、一度それぞれが今まで納めた年金額を国民に返して、新しい年金制度を成立する。その際は消費増税も避けて通れない。今回の「老後資金2000万円」問題は、大衆迎合政治の露呈である。旧民主党政権も年金改革には手をつけられなかったので、政府与党を批判する資格はない。

 今後も、国会の外から「国の経営はこうあるべきだ」と発信することが、6年前の選挙で1票を投じていただいた10万人の有権者への責任と感じている。“パンドラの箱”は100年安心という「希望」を感じられるまでしっかりと議論し、蓋を閉じるべきである。

【夕刊フジ】「渡邉美樹経営者目線」(毎週火曜日連載)より