~ダイニングバー・店内(日替わり)~
開店前の店内で、スマホを見つめている穂乃花。
シウ、パスタ皿を手にバックヤードに入って来る。
シウ「ん?穂乃花、今日ボロネーゼだよ。持ってくる?」
穂乃花「私大丈夫だから、私の分も食べていいよ」
シウ「★穂乃花、優しい!大好き!」
穂乃花「私にはそれ、通用しないから」
シウ「★穂乃花、冷たい・・・・・(流暢)つか、うまっ!」
勢いよくパスタを頬張るシウ。
穂乃花、笑ってしまう。
と、穂乃花のスマホにメール。
『誠に残念ですが今回は・・・・』の文字。
がくり、とうなだれる穂乃花。
穂乃花「・・・・」
シウ「何?どうしたの?」
穂乃花「就活! またダメだったぁ」
シウ「そっか・・・★でもまだ次がある! 頑張れ!」
穂乃花「ある、けど・・・ああ、でもここは結構手ごたえあったのに・・・あれで駄目なら・・・」
シウ「★俺が慰めてあげるから元気出して」
穂乃花「軽っ!」
シウ「★いいじゃん。就職できなかったら、一緒に韓国帰ろうよ」
穂乃花「は?テキトー言わないで」
シウ「★テキトーじゃないです」
穂乃花「あんた川崎出身でしょ!?」
シウ「国籍は韓国だよ」
穂乃花「そうゆうことじゃなくて!・・・あのさ、こっちは真剣にショックなんだよ!ほんと、テキトーな感じでチャカさないでよ」
シウ「マジで本気なんだけど」
穂乃花「・・・・・」
シウ「まずは俺、穂乃花の完璧な彼氏になるから」
穂乃花「あのさ、いい加減にしてよ!」
穂乃花が見ると、シウは揺るぎない目で見つめ返す。
目線を外し、立ち上がる穂乃花。
シウ、「ごちそうさまでした」と皿を洗い場へ運ぶ。
穂乃花「・・・・・・・・・・」
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