タイトル: 夢のチョコレート工場

この夏公開予定の「チャーリーとチョコレート工場」
ロアルド・ダールの原作を読もうと探していたら、先に映画化された「夢のチョコレート工場」のDVDを近所のレンタルビデオ店で見つけた。クラシックなジャケットがなんとも温かみのある30年前の映画。ティム・バートン監督の「チャーリーとチョコレート工場」はこの映画のリメイクになるわけなのだった。たのしい予習は大歓迎、とさっそく借りて観てみた。

世界中の子どもに人気のウィリー・ワンカのチョコレート。加熱するライバルたちからおいしいチョコレートづくりの秘密を守るため、ワンカ氏は工場の扉を閉鎖してしまった。ところがある日突然、ワンカ氏は世界中で売られているチョコレートの包みのなかから、金色の招待状を見つけ出した5人の子どもたちだけを工場に招待すると発表。この幸運なチケットを誰よりも先に手に入れようと、いたるところおとなまで巻き込んでの大騒ぎになる。工場のある街に住む貧しい少年チャーリーは、ひと一倍このワンカ・チョコレートが大好き。わずかなお小遣いからやっと買ったチョコレートのなかにチケットを見つけ、憧れのチョコレート工場に足を踏み入れるが…。

子ども向けのファンタジーだけれど、おとなだって小さな頃にお菓子の家に憧れたことのあるひとなら、きっと理屈ぬきにたのしめる映画だと思う。なにしろチョコレートの池の周りにキャンディでできた花が咲き乱れ、炭酸水で走る車でドライブなんていう夢の世界が目の前に展開されるのだから。頭であれこれ考えるより、このワクワク感に身を任せてしまえば断然たのしいのだ。

手づくり感あふれるチープなセットも、工場ではたらくなぞの生き物ウンパルンパのちょっと怪しげな歌と踊りも(ぎこちなくキョトキョトする動きが愛嬌たっぷり!)、時にちくりとするブラックユーモアさえも、すべてこの映画の愛すべきスパイスになっている。そんなあったかくておいしい映画。きっと原作もいいんだろうなぁと思える。

自由に夢見ることのたのしさを教えてくれる、こんな映画は自分も子どもの頃に観てみたかったし、いつか自分の子どもにも観せてみたい。一緒にウンパルンパの踊りなんか踊ったらさぞかしたのしいだろう。なにしろ、あのユニークな歌が一日中頭から離れないのだ…。こまった~!笑笑。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
「夢のチョコレート工場」

【作品データ】
1971年/アメリカ/100分
staff*
監督:メル・スチュアート
製作:デヴィッド・L・ウォルパー
   スタン・マーガリーズ
原作:ロアルド・ダール
脚本:デヴィッド・セルツァー
撮影:アーサー・イベットソン
音楽:ウォルター・シャーフ
   レスリー・ブリッカス
   アンソニー・ニューリー
cast*
ジーン・ワイルダー/ピーター・オストラム/ジャック・アルバートソン 他

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■