創立記念日なので、中華風おこわを作った。本当は、昨日、10月5日だけど、いそがしくて手がまわらなかった。私が何もできないのに、となりのKAYOちゃんが、記念日おにぎりと、うさちゃんりんごを届けてくれた。別に声を大にして売りこんだわけじゃないのに、情の濃い彼女は、話のついでにもらしたひと言を覚えていてくれたのだ。 今はもう大々的に記念日行事をすることもなくなり、自分ひとりで、一応は大切な日と思っていることを、他にも大切にとらえていてくれた人がいるのは、とても心地よくうれしい。 KAYOちゃんは、おとといも、おすそわけだと、甲州山梨のぶどう液を届けてくれた。おすそわけって言ったって、ハンパじゃない一升びんドーン!思わず「なつかしいー!スカンク草井のぶどう液じゃん」と大声を出してしまった。KAYOちゃんは「?」な顔。あたりまえです。家族にしか通じないことだもの。 スカンク草井は、手塚治虫の作品にたびたび登場する小悪党。 今から30年以上も前、まだわが家が野中の一軒家状態で、川向こうのスポーツ公園と住宅地は田んぼ、ひなた山住宅地は大森林、歩いて行ける店といえば、徒歩10分強、堺川を渡ったY市の団地にある、にぎやかでない商店街。戸塚へ行くバスは1時間に1本という陸の孤島だった。そのへき地に、はるばる山梨県からぶどう液を売りに来るおじさんがいた。それがスカンク草井さん。別に悪い人でもなんでもないのは当然だが、顔がなんともそっくりなのだ。結局最後まで本名を知らないまま、と、言っても本人に「草井さん」と呼びかけたわけではなく、私たちが本名を知る努力も覚える努力もしなかったということ。このあたりの開発が進んで来た頃が、ちょうど道路が混雑する頃と重なって、いつのまにか縁が切れた。 そのぶどう液は、わが家の大好物で、子どもたちは小学校高学年になるまでは、飲み物といえば麦茶でぶどうジュース。おやつは手づくりが主体だった。お金もなかったし、店もない――ちょうど都合がよかった。大きくなって、いろいろ周囲を知るまでは、それで問題なし。お金は今でもないけれど、店はあるようになって、キューキューショップとかヒャッキンで、手づくりより安上がりにおやつが買えるようになったこの頃である。
AD
9月29日に、学区の小学校の「ふれあい広場・みんなの国を知ろう」というイベントに出かけた。 25日から30日までが学校開放週間だと、町内の回覧板で知っていたから、いずれの日かにふらりと出かけてみるつもりだった。たまたま29日にイベントがあることを知り、放課後こども支援員をやっている人を通じて招待状ももらって、「これは面白そう。ぜひ行かずばなるまい」と、午後からK1君も連れて歩いて行った。本当に久しぶりに歩いた道だ。 『私たちの学校は、日本・中国・ベトナム・カンボジア・ブラジル・ペルー・タイ・フィリピンの8カ国の子どもが一緒に勉強しています。 9月29日(木)午後1時45分から、8カ国のおどりや遊びなどを発表しあいます。私たちは、一生懸命活動しました。その結果を、ぜひ日ごろお世話になっている地域の方、おじいさんおばあさん、保護者の方等、たくさんの方に見ていただきたいと思います。  お忙しいと思いますが、ぜひ、I小学校においでください。お待ちしています。』 こんな招待状をもらったら、しかもご近所だったり、ウチのイベントを通じて仲良くなった子たちが大勢いるのだから、行くべきだと思うのはあたりまえ。 で、感想は――楽しかった、面白かった、少しウルウルした。 外国人が多いからと嫌って学区外の小学校を選んでいる人もいるけれど、遠いから子どもがかわいそうだを理由に近くの学区外校に通わせる人もいるけれど、人それぞれ、やることに関して是非は問わないが、国際化とか言われてる時代だ。 たしかに、都合悪くなると突然日本語がわからなくなる人とか、この国のルールを理解する気のない人とか、本国の生活習慣そのままに暮らす人なんかもいる。でも健気に、一生懸命に活動する子どもたちの姿を見ると、たくましさとおおらさを感じて、うれしくなる。 ああ、この学校は努力してるなーと、うれしくなる。 あいかわらず忙しくて、知らないうちに終りが来てしまったような9月だったが、おかげでいい終りかたができたと思っている。 I小学校は、わが家の子どもたちも卒業生で、私もPTAだの卒業準備委員だのをやったから、なつかしく二重に楽しかった。
AD