今回から第7巻を読み進める。

関連サイトからあらすじを読む。
◎〔笹や〕のお熊婆さんが登場するのがこの巻。婆さんのくせに伝法なしゃべりをし、男勝りで、茶目っ気のある憎めないキャラクターなのである。
◎この巻で、盗賊と関係のないのが、このお熊婆さんの登場する「寒月六間堀」(未読)である。仇討ちものであるが、これまた設定が変わっている。
◎そういう意味で異色の短編である。
◎また、本書から息子の辰蔵が徐々に役に立つようになり始める。剣の筋は悪いのだが、剣に打ち込み始めるようにもなる。この点は、キャラクターが似ている木村忠吾と異なるところである。

雨乞い庄右衛門
◎心ノ臓をやられ、療養をしていた盗賊・雨乞いの庄右衛門が、だいぶに快復してきたので、最後のおつとめのために江戸に向かっていた。
◎途中で配下の者に会うが、逆に殺されそうになる。何故殺されそうになったのかは分からなかったが、その危急の場を救ってくれたのがなんと長谷川平蔵宣以の親友・岸井左馬之助であった。
◎盗賊であれば、どの盗賊も悪人には違いない。しかし、お頭が貯めておいた分前が欲しくて、お頭を殺そうとする部下たちのほうが (悪人^2)=(大悪人) である。
◎ほかの話でも読んでいて感じたのが「盗人は誰もが悪人であるが〈盗人の鉄則〉を守り抜いた大盗人は善人に思えてくる」であった。
◎〈盗人の鉄則〉とは①困っている人からは盗まない。②決して血を流させずに人殺しはしない。③女を陵辱しない。である。

隠居金七百両
◎平蔵の息子・辰蔵が夢中になっているのがお順という娘である。そのお順がさらわれるのを辰蔵は見かけた。
◎一方、いつまでも戻ってこないお順を不審に思っている次郎助の元に、奈良山の与市という盗賊が訪ねてきて、お順をさらったという。返して欲しければ、白峰の太四郎の隠居金の在処をはけと言われる。次郎助はそんなものは知らないと突っぱねるが…
◎辰蔵は若い頃の父親 平蔵の悪いところ〜女遊び〜があまりに似ている(笑)。
◎七百両は、盗賊をすべて捉えた後、平蔵が沈思黙考した結果、平蔵が見つけることになった。

はさみ撃ち
◎万屋小兵衛の妻・おもんをたらし込んでいるのは、針ヶ谷の友蔵という盗賊である。おもんをたらし込んで、万屋に忍び込もうというのだ。
◎しかし、この万屋小兵衛は元盗賊。早くも友蔵が万屋にねらいをつけたことを知り、対策を練り始める。小兵衛は盗賊を引退して以来、暇にしていたのでこれ幸いと楽しみ始める。
◎万屋小兵衛こそ、大盗人の中の大盗人である。友蔵とは格が違う。高齢の小兵衛を平蔵は捕縛せずにおいてやった。こういうところが平蔵の人間味であり、臨機応変なところである。