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スペイン絵画の黄金時代は17世紀でエル・グレコがイタリアからスペインに渡りその土壌と作ったといわれています。

 

 

「使徒ペテロとパウロ」エル・グレコ(ドメニコス・テオトコプーロス)1592年

手に天の王国の鍵をもつペテロと使徒書簡に手を置くパウロは同時にローマにきて皇帝ネロに死刑宣告されたので一緒に描かれています。

マニエリスム後期の画匠。

ヴェネチア共和国の支配下にあったギリシャのクレタ島でうまれヴェネチアで学んだので明るい色調ですが滅亡したビザンチンの様式もとりいれています。

ローマでミケランジェロの作品をけなしイタリアにいられなくなりスペインにきたといわれています。

 

「聖母の少女時代」フランシスコ・デ・スルバラン1660年ごろ

少女時代の聖母が当時の女性のたしなみであった針仕事を中断して祈っています。

彼女が針で指をさし流される血は犠牲の生涯の予兆であり、ひざの上にある布は神殿の天幕用に奉納するものでやがて死衣でキリストの亡骸をくるみ優しく抱く暗示でもあります。

 

徹底したリアリズムとカラヴァッジョ風の劇的な明暗表現が特徴の宗教画、静物画に優れたスペイン南西部出身のバロック画家

ベラスケスと親しく口利きで王宮の装飾も手がけました

 

 

「聖母被昇天」バルトロメオ・エステバン・ムリーリョ1670年代

夢見る乙女のようなマリアと取り巻く可憐な天使たちはロココを先取りしています。

乙女な聖母、愛らしい幼児のような天使を多く残しているのは5人の子をペストで亡くし耳の聞こえない娘を聖母に例えていたからでした。

スティロ・バポローソとよばれる画面全体が薄もやに覆われたような夢幻的な作風は」晩年の彼の作品の特徴です。

 

「イサクとヤコブ」バルトロメオ・エステバン・ムリーリョ1670年

創世記の物語。

イサクと妻リベカの間には双子の息子エサウとヤコブがおりイサクは長子エサウを愛しリベカは弟ヤコブを愛していました。

ある日空腹だったエサウはレンズ豆と引き換えに長子の権をヤコブに売ってしまいました。

盲目になったイサクがなくなる直前リベカの策略でエサウを装いヤコブがイサクから長子として祝福を受けています。

題材の人物は右端におり左側は屋外と意味のない女性の背中が見えています。

 

「エジプト逃避中の休息」バルトロメオ・エステバン・ムリーリョ

ヨセフ、マリア、天使、ロバの視線光り輝く幼子キリスト向けられており安らぎがヘロデ王から逃れるための逃避行ですがあたたかな安息の場面が見事に表現されています。

 

「羊飼いの礼拝」バルトロメオ・エステバン・ムリーリョ1670年

東方三博士の礼拝のような仰々しさがなく親しみやすく感じます。

羊飼いは天使からキリストの誕生を聞き駆け付けました。

幼子キリストが発する神聖な光が夜景を照らしているのは北方に倣ったもの。

 

 

「カタリーナ・ミカエラ・デ・スペインの肖像」アロソン・サンチェス・コエリョ

エルミタージュ美術館のパネルではコエリョ作となっていますが中央公論社の図録ではクルーズ作となっています。

 

16世紀スペイン国王フェリペ2世の宮廷画家。ティツィアーノの作風を追いながらもスペインらしく厳粛で細部まで緻密な肖像画で名を馳せました。

 

フェリペ2世の娘でサヴォイア公カルロ・エマヌエーレ1世の妃

男系が途切れハプスブルグ家に嫁いだファナ女王の子孫がスペイン王位を継承して家名がスペイン・ハプスブルグ家なのでエルミタージュのパネルには「デ・オーストリア」と表記されていました。

ハプスブルグ家特有の鷲鼻ですが下あごはそれほどとびだしていません。

 

 

「パルマ公妃マルゲリータ・アルドブランディーニの肖像」バルトロメ・ゴンザレス・セラーノ

16世紀末から17世紀スペインのバロック画家。宮廷画家で肖像画に特化していました。

顔よりも豪華な装飾品衣類に焦点を当て綿密に描いているのが特徴的。

 

「聖セバスティアヌスと聖イレネ、聖ルチア」ホセ・デ・リベーラ1628年

聖セバスティアヌスは元は若いローマの兵士でディオクレティアヌス帝のキリスト教迫害で死刑になりたくさんの弓で射られますが聖イレネ、聖ルチアが弓を抜き献身的に介護して助かりますが再び処刑され殉教しました。

 

この時代若い聖人の裸体画が官能的なイメージを流布するとして教会により切り取られたりしたため聖セバスティアヌス一人ではなく複数人で描かれています。

 

「天使と聖ヒエロニムス」ホセ・デ・リベーラ1626年

聖ヒエロニムスが天使が終末の審判を知らせるラッパを吹くのを聴いている場面。

彼の書いた聖書外典にある「昼となく夜となく私は常に最後の審判のラッパの音を聞くと信じている」を絵画化した作品。

 

「ソリアノのドミニコ修道会士の前に現れた聖母マリア」フアン・バウティスタ・マイノ 

マリアはひざまずくドミノコ会の修道士を指さし、聖カタリナがアトリビュートである百合の花と赤い本を持つ聖ドミニクスの絵画を彼に見せています。

ドミニコ会修道院の創立者がどう描かれるべきかを明確に示している場面。

右は香油の壺を持つマグダラのマリア。

 

画家はエル・グレコの弟子のバロック画家でベラスケスの助手も務めました

 

 

「オリバーレス伯爵ガスパール・デ・グスマンの肖像」ディエゴ・ベラスケス

フランチェスコ・パチェーコの弟子で17世紀を代表する画家。

パトロンで主席大臣であったこのオリバーレス伯爵の紹介でフェリペ4世の肖宮廷画家として時に外交官として活躍しました。

フェリペ4世の娘マルガリータ王女を描いた「ラス・メニーナス(女官たち)」が有名でオーストリア・ハプスブルグ家と婚約したマルガリータ王女の肖像画を描きオーストリアへ送り続けました。

 

「朝食」ディエゴ・ベラスケス1811年

素朴すぎてこれがベラスケスだとわかりませんでした。

 

スペインで流行していたボデゴン(厨房画)

初期の作品でカラヴァッジォに傾倒し後方が暗く人だけで浮き立つ手法で描かれています。

飲み屋で貧しい食卓を囲むだけの絵画に見えますがカラヴァッジォと同じように多義性を秘めています。

前に置かれた静物画のザクロ、ワイン、パンはキリスト教ではキリストの受難、キリストの流された血、キリストの体を意味し、少年、若者、老人は人生が一瞬であることを示唆しています。

 

 

「フェリペ4世の肖像」ディエゴ・ベラスケス工房

鷲鼻に突き出た下あごはハプスブルグ家の特徴。度重なる近親結婚でどんどんひどくなっていきました。

 

ドン・ディエゴ・デ・ヴィラマヨールの肖像」ファン・パントハ・デ・ラ・クルーズ1605年

スペインルネサンスのフェリペ3世の宮廷画家が描いたスペイン貴族で17歳の騎兵隊員。

 

 

 

「聖母と糸巻きをもつキリスト」ルイス・デ・モラレス

左手にもつ糸巻は右手に持つ十字架形の糸巻き棒に巻き取って使っていたもので、キリストが十字架にはりつけられることを予表しています。

聖母は悲しみに満ちた表情でキリストを抱くための左手を止めています。背景の深い闇と相まってキリストの苦難に満ちた生涯を思い悲しんでいます。

 ダ・ヴィンチの「糸巻きの聖母」に聖母子の位置は逆ですが手を止めた聖母と糸巻き棒に興味津々なキリストに似ているなと思いました。

 

画家は16世紀はじめの「聖なるモラレス」と呼ばれた写実性とともに新プラトン主義の崇高な精神性が評価されたルネサンス宗教画家。

 

 

「アントニア・サーラテの肖像」フランシス・ホヤ・デ・ゴヤ1811年

36歳で早世した女優。シンプルな白のシュミーズドレスに王家が戴冠式で使用する貂の毛皮を着ていているのが謎めいています。

精神性の高い絵画の黄金時代からくるべきロマン主義への移行を感じさせる作品。

ゴヤはカルロス4世の宮廷画家でベラスケスと並びスペイン最高の巨匠とよばれています。

彼の代表作で中野京子先生の怖いに収録されている「カルロス4世とその家族」では醜いまま王家の人々を描いています。

 

 

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