１９１４年６月にオーストリア＝ハンガリー帝国のフランツ・フェルディナント大公がボスニアの首都サラエボでセルビア人に暗殺された『サラエボ事件』。（↓）

これがきっかけで

　第一次世界大戦

が起きたことは、上掲過去記事に書いた通り。

しかしこの戦争はヨーロッパが主戦場であり、日本には無関係と思っている方、結構いらっしゃるのではないでしょうか？

実は、それは間違い。　

日本も開戦直後から連合国側の一員として参戦していたのです。

１９１４年８月４日、ベルギーに侵攻したドイツに対しイギリスが宣戦布告し大戦の火蓋が切って落とされると、イギリスは膠州湾租借地を本拠地としていたドイツ東洋艦隊の動きを封じるため、この時点で日英同盟を締結していた我が国に参戦を要請。

これを受けて時の大隈重信首相はちょうど１１０年前の今日・１９１４（大正３）年８月２３日、ドイツに対して宣戦布告をしたのです。

その直後の９月、大日本帝国陸軍はドイツの植民地だった太平洋上のマリアナ・カロリン・マーシャル諸島を次々に占領。

１１月にはイギリス軍と連合軍を結成し、膠州湾と青島のドイツ軍要塞を攻略（青島の戦い）。

またインド洋に艦隊を派遣し、英・仏の領有する東南アジアの植民地から本国に向かう輸送船団の護衛を行いました。

開戦直後から英・仏・露からの数度にわたる欧州戦線への派兵や地中海への艦隊派遣要請を受けていたものの、国益に直接関係ないとしてこれを拒否していた日本。

しかし戦況が煮詰まってきた１９１７年１～３月には第二特務艦隊を地中海に派遣して兵員輸送の護衛を行い、連合軍の劣勢挽回に大きく貢献しました。

　　　　連合国軍兵士　左から米・加・英・中・伊・チェコ・日本

ところで、この大戦に参戦したことにより、日本には思わぬ副産物がありました。

青島の戦いで拘束したドイツ人捕虜約４，７００人を日本各地の捕虜収容所に移送し丁重に扱ったのですが、特に１，０００名もの捕虜を引き受けた徳島県の板東収容所では地元民が彼らと親しく交流し、ビールをはじめとした数々のドイツ文化が伝えられました。

パンの大手メーカー・敷島製パンの創業者・盛田善平は彼らから製法を教わったそうですし、人気洋菓子のバウムクーヘン（↓）は広島県の似島収容所に移送されたカール・ユーハイムが日本で初めて焼き上げています。

『年輪』現在はコンビニでも普通に売っていますが、私が子供の頃は中々口にすることが出来なかった洋菓子・・・といえば、　バウムクーヘンドイツ語の【Baum＝木】と…

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また日本で初めてベートーヴェンの交響曲第９番『合唱』を演奏したのも、捕虜たちが組織した楽団でした。

そして戦死者４００名余、病死等を含めると１，０００人以上の犠牲を払った我が国（※といっても両軍合わせて兵士９００万人・非戦闘員１，１００万の死者を出したこの大戦で、戦死者１，０００人未満だったのは日本のみ）は、戦勝した連合国の一員としてパリ講和会議に列席。

参戦時にイギリスから約束を取り付けていたドイツが持っていた山東省の権益と、赤道以北の南洋諸島を委任統治領として取得、更に国際連盟の常任理事国となりました。

しかしこの後、この参戦が逆に日本の国際的地位を危うくする端緒にもなってしまいます。

青島の戦い後の１９１５年、日本は中華民国・袁世凱政権に『対華２１ヶ条要求』を突きつけ承諾させたことで支那人の反感を買い、また１９１７年に起きたロシア革命に乗じ大規模なシベリア出兵（↓）を行って大戦終結後も駐留を続けたことで、英・米から疑惑の目を向けられるように。

『出　師』いきなりですが、皆さんは　シベリア出兵をご存知でしょうか？　聞いたことはあっても、具体的にどんな出来事だったのかを説明できる方は、あまりいないかもしれま…

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アジアにおける日本の台頭を恐れたアメリカは、人種差別思想を元に国内で唱えられ出した〝黄禍論〟を背景に日本からアメリカへの移民を禁止すると共に、裏でイギリスに対し日英同盟（↓）の撤廃を工作。

『同　盟　』明治維新以降、富国強兵に勤しんだ日本。それまで諸外国との不平等条約に苦しんでいた我が国が徐々に力を蓄え、遂に欧州列強との初の軍事同盟となる　日英同盟を締結した…

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こういった敵対行為に日本国内でも反米感情が高まり、結果的に連合国側だった英・米と離反し独・伊と接近するように。

まさに〝昨日の友は今日の敵〟。

この２０年余り後に勃発した第二次世界大戦を含め２０世紀の歴史を振り返ると、西洋人の根底には日本を含めた東洋人を蔑視する人種差別思想が横たわっており、残念ながらそれは２１世紀になっても根深く残っていると言わざるを得ません。

西欧諸国（と支那・韓国）は、調子に乗って出しゃばると叩きにくるし必要以上に譲歩すると逆につけこんでくる・・・日本はそれを踏まえて強かな外交政策を取らなければなりません。

しかしその一方で、彼らは日本人の高い精神性を怖れています。

だからこそ、大東亜戦争後ＧＨＱは徹底的に自虐教育を施し日本人を骨抜きにしようとしました。

残念ながらそれは現時点で効果を上げていると言わざるを得ません・・・が、日本人がそれに気づき根本から道徳の復活など教育制度を改革すれば再び誇りを取り戻すことは可能ですし、我々大人にはそうする義務があります。

参 戦

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