皆さんは、〝３８〟という数字から何を連想しますか？
ゴルフをする方なら、ハーフの目標スコア。
また昭和世代の巨人ファンなら末次選手の背番号。（古っ）
しかし今日の話題は、日本人は普段あまり意識しない朝鮮半島の
北緯３８度線
に関してです。
大東亜戦争終戦直前の１９４５（昭和２０）年８月９日、日本に宣戦布告したソ連は満州と朝鮮半島北部に侵攻。
それを受け、アメリカはソ連の朝鮮半島独占を阻止すべく、半島の分割占領案を提示することに。
８月１１日に 「北緯３８度線で暫定分割する」 案をまとめて提示すると、５日後にソ連が同意。
これが同年９月２日降伏文書に署名した日本に対し伝達され、マッカーサーが朝鮮半島にいる日本軍に対し、３８度線を境に米ソ両軍に降伏するよう指令を出したのです。
これが現在の北朝鮮と韓国の国境・・・ではなく、１９５０年６月に勃発した 『朝鮮戦争』 の休戦協定により設定された〝停戦ライン〟の基となりました。
では、なぜアメリカは３８度線を境界線としたのか？
これに関しては、策定を命じられた将校が「朝鮮半島の首都をアメリカの占領区域にする必要がある」と考え、ソウルがちょうど３８度線の南側にあったことを決め手にしたそうな。
その策定に使った時間は僅か３０分だったそうですから、決断が早いと言うか、いい加減と言うか・・・。
ただ、元々日本軍も３８度線で関東軍と大本営の管轄を分けていたそうですが。
この停戦ラインの象徴と言えるのが、同線上にある 『板門店』。
画像中央・青い建物間の地面の色が違う境界線が、まさにそのラインですが、ここで韓国軍を中心とした国連軍と朝鮮人民軍が対峙しているのです。（画像・奥が北朝鮮側）
この板門店は観光客が引きも切らず訪れる見学スポットだそうですが、行動・服装の制限や写真撮影時にピースサインは禁止等々、北朝鮮側を刺激しないよう様々な制約が。
また緊急事態が起きた場合死傷する危険があるが、自己責任を承知の上で訪問する旨の誓約書に署名が求められるそうな。
まぁ、そこまでして行く価値がある場所かどうかは疑問ですが、そこが日本から最も近い〝戦場〟であることは確かです。
